「今年戻ってこられないと終わる」河本結は人生の“100%”をゴルフに
◇国内女子メジャー◇ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ 初日(2日)◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース◇6665yd(パー72)
昨年12月、シード入りを逃して挑んだ最終予選会(ファイナルQT)で前半戦の出場権を確保した河本結は今季を「勝負の年」と位置付けた。2020-21年、22年と準シードで回避した2シーズンを経て臨んだQT。そこで踏みとどまり、モチベーションが高まったと同時に危機感を覚えた。「ここで(トップレベルに)戻ってこられないと、私は終わるなって」
並々ならぬ決意で迎えたシーズンだからこそ、「100%をゴルフの時間に注いでいる」と胸を張れる。規則正しい生活という表現にはとどまらない節制ぶり。基本的に外食はせず、管理栄養士の協力のもと炭水化物や脂質の摂取目安を守る。食品添加物を避け、コンビニエンスストアからも、すっかり足が遠のいた。睡眠時間を確保することは当たり前で、スマートフォンの画面を見るのも一日1時間半まで。LINEで連絡をとったりはするが、SNSを利用する時間は必然的に減ったそうだ。
疲労がしっかり抜けるようになり、毎週フレッシュな状態で試合を戦うことができる。フィジカルが整い、メンタルも安定。タフなメジャーセッティングにあって、前半11番でボギーが先行しても平常心。「今週はとにかくダボ(ダブルボギー)を打たない。取り返そうっていう気持ちを出さない」と事前の決めごとを徹底し、5バーディ、3ボギーの2アンダー「70」と上位でフィニッシュした。
最近はスコアを落とした時のイライラと無縁になってきたものの、取り返したいと欲を出せば大きなミスにつながることもある。後半4番と6番(パー3)で決めた2度のバウンスバックも、あくまで「がっつかない」ことを貫いた結果と言い切る。一方で前半13番(パー3)のようにフェードヒッターにとって狙いやすい右ピンとみれば、集中力を研ぎ澄ませてバーディにつなげた。
「多くの人が喜んでくれたり、感動してくれるっていうことが、自分の一番の幸せだって感じた。常に上位でいいゴルフを見せて、ゴルフって面白いな、プロって違うなっていうのを見せることが一番の目標。だから、勝つとかよりも、目指せ(全ホールバーディの)『54』なんです」。みんなの笑顔を楽しみに、毎日をストイックに生きている。(茨城県つくばみらい市/亀山泰宏)