初めて姉妹そろった最終戦 岩井明愛が実感する今季の成長
◇国内女子メジャー◇JLPGAツアー選手権リコーカップ 事前(21日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6497yd(パー72)
岩井明愛は、逆転での年間女王戴冠の可能性を残したメルセデスランキング(MR)3位でツアー最終戦に臨む。1年前を振り返れば、「出たくても出られなかった」試合。昨季は優勝を挙げられず、MR40位と出場切符を得られない位置で終わった。記憶にあるのは妹の岩井千怜のプレーを見に、週末に会場を訪れたことだ。
「ここで戦えているのはいいな」。悔しさというよりは、応援したい思いの方が勝っていたという気持ちを回顧するが、「ことしは自分も戦える立場になれたのですごくうれしいですね。楽しみな気持ちでいっぱいです」と笑みを浮かべる。最終戦に姉妹で出場するのはツアー史上初のことであり、「(MR)1位を狙えるチャンスはある。それはそれで楽しみ」と話す。
年間女王のタイトルがかかっている一戦でも、フラットな気持ちで臨むつもりだ。それも、これまで過ごしてきた時間で「何かを『狙える』となると、空回りするタイプ」と自分の性格を把握しているからこそ。「無意識に『楽しもう』というマインドになっているんだと思う。ちょっとだけだけど、落ち着いてプレーすることができるようになってきて、去年まで狭いなと思っていた風景が広く見える」と今季の成長ぶりを実感する。
「この1年を、来年は超せるかと言われると難しいけど、楽しかった1年。シーズン始めに5勝はしたいと宣言して3勝なので、もう少し上へ行きたかったというのはあるけど」と胸の内を明かした。
また、千怜と足並みそろえて歩いてはいるが、「いずれ一人になるときも来るとは思っている。でも今は同じ舞台なので、充実しているなって」とそれぞれが違う道を歩む日が来るかもしれない将来も想像していなくはない。「海外で戦いたいですね。2人でいつか海外メジャーの優勝争いができたら…が夢です」という青写真はある。
まずは昨シーズン叶わなかった「そろっての出場」をクリアした。国内メジャーの舞台で2人による最終日最終組となれば、なお「最高です」と目を輝かせた。(宮崎市/石井操)