「いまが大事」女王争いの申ジエ 開幕2日前は入念なクラブ調整
◇国内女子メジャー◇JLPGAツアー選手権リコーカップ 事前(21日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6497yd(パー72)
今シーズンが始まる前から、申ジエ(韓国)は「ゴルフ人生、あと何年かな」と考え出すようになったという。同い年で同郷のイ・ボミ(韓国)が今季限りで引退を表明した。切磋琢磨していた選手が次々とツアーから離れていく。
今季の海外メジャー「全米女子オープン」「アムンディ エビアン選手権」「AIG女子オープン(全英女子)」に出場したのも、残された時間を考えてのことだった。
「機会があるなら出てみようかなと思ったら、まだ私のことを覚えてくれている人たちがいて。『戻って来てくれてうれしい』って言われたのがうれしくてプレーを頑張りました」
国内の年間女王争いができているのも「全米-」2位、「AIG-」3位の加算ポイントが大きい。「1年間、1試合、1試合頑張ってきての位置だと思うので、今週も“特別”と思うのではなく頑張るべき一つの試合と思ってやりたい」。13年連続、14回目の出場となる最終戦に目を向けた。
開幕2日前のこの日は、クラブ調整に時間を使った。キャデイバッグからクラブを出し、パター1本持ってはレップのもとへ向かった。練習グリーンではボールを打って感触を確かめた。
今週は韓国にはない高麗芝。先週の会場とも違い、「まだ練習グリーンでしか打っていないけど、去年よりは芝目の癖が出ているかな」。この日、コースには出ずに、投入するパターもこれから決めるつもりだ。
2015年、18年大会を制した実績がある。「比較的、グリーンが小さいコースなので、アイアンショットの距離感が大事になってくるのは自分的には合っているコースだと思う」。大会3勝目を挙げれば、山下美夢有の結果にかかわらずに逆転し、メルセデスランキングのトップに立つ。初めての年間女王となる。
「自分のやりたいゴルフはあとどれくらいできるだろうと思うと、いまがすごく大事。今週もその気持ちを強く持って集中したい」と背筋を伸ばした。(宮崎市/石井操)