“アイドル”菅沼菜々が2勝目 歌って緊張ほぐして
◇国内女子◇NOBUTA GROUP マスターズGCレディース 最終日(22日)◇マスターズGC(兵庫)◇6495yd(パー72)◇晴れ(観衆5519人)
大勢のギャラリーに囲まれながら、首位タイから出た最終日は3バーディ、1ボギーの「70」で回って後続に3打差つける通算14アンダーでホールアウトした。8月「NEC軽井沢72ゴルフ」のツアー初優勝はアイドルになりきってプレーをした。そのスタイルは今回も変わらずに貫き通した、と菅沼菜々は言う。
2勝目を獲れたのも、初優勝の経験がアシストしたと振り返る。「前までは周りのスコアが伸びていたらどんどん気負ってしまって、力が入ってミスすることが多くて。でも、自分が伸ばせば優勝できるというのは分かったから、周りを気にせずにプレーした」。スコアボードは“ガン見”していた。それでも、ほかの選手のプレーに惑わされることなくプレーできたことに成長を感じている。
「追われる側として、プレッシャーはありました」と振り返った。その緊張状態をほぐすのに、キャディさんに自分の好きなアイドルの曲を教え、「周りにばれないように一緒に歌ったりして。あとはどうでもいい会話をしたり」と工夫を凝らしてショット間の“空白”を埋めた。
上手くマインドコントロールをしながら、前半4番(パー3)で163ydを6Iでピン右上4mにつけてバーディを先行。9番も同じく4mほどのバーディパットを沈めてスコアを伸ばした。
12番(パー5)は74ydからのサードショットをピン奥そば1mにベタピンさせてのバーディ。リードを守りながら、優勝を意識したのは「最後の3ホールあたりから。でも17番をボギーにして、そこまでの内容がよかったから悔しかった。最後はうれしい!って」
18番のグリーンに向かうときは、「いま、この人たちはみんな私を見てくれているのかなって。“自称”といえば炎上しないかなと思って言っているけど…ボミさんの引退試合という機会で優勝できたのはうれしい。ボミさんが引退されたあとも日本女子ツアーを盛り上げられるように、笑顔でがんばりたい」と微笑んだ。
そんな菅沼に、今大会で引退するイ・ボミ(韓国)は「やっぱり彼女の写真を見たりすると、ポーズとか表情がすごい。私もファンになりそう。こういう選手は、もっとたくさん出てきてほしい」とエールを送った。(兵庫県三木市/石井操)