「知らなかったからビックリ」申ジエの年間女王レースが韓国でも報じられたワケ

◇国内女子◇ニトリレディスゴルフトーナメント 事前（23日）◇小樽CC (北海道)◇6695yd（パー72）

周囲から立て続けに「1位になったね」と言われても、最初は何のことだかピンとこなかった。

「全米女子オープン」2位タイ、「AIG女子オープン（全英女子）」3位と海外メジャーで好成績を連発し、日本女子ツアーのメルセデスランキングでトップに浮上した申ジエ（韓国）。本人が「（海外メジャーのポイントが加算されることを）知らなくて…。結果を見てビックリしました」と苦笑するように、無欲の快進撃だったというから驚きだ。

全米女子が4年ぶり、全英女子は7年ぶりの参戦。久しぶりの海外メジャー出場も「一番大きな理由はおばあさん。メジャーで優勝したら、韓国でもメインニュースになる。それを見せたかった」。5月に亡くなった祖母に活躍を届けるため、シーズン開幕前から決めていたことだった。

日本のランキング“度外視”で臨んだ戦いが年間女王レースに与えた影響は、母国でも報じられた。海外メジャーでの成績を国内ツアーに反映させないシステムを維持しているという韓国では、それが選手にとって海外挑戦の足かせになりかねないとの見方もあるそう。期せずして頑張りが報われる形となり、「国内ツアーのランキングが落ちてしまう心配をせずに挑戦できる。感動しました」。日本女子プロゴルフ協会の方針を好意的に受け止める。

世界最高峰の舞台で再びトップを争うプレーぶりには「また（米ツアーに）戻ってくるの？」とカムバックへの期待も耳に届いたが、そのたび首を振った。「いいえ。私は日本ツアーが大好きだから」。変わらず日本の頂点だけを目指して戦う。（北海道小樽市／亀山泰宏）