1日に2回も挑戦! 岩井千怜が “直ドラ”をする理由
◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 初日(20日)◇ザ・クイーンズヒルGC(福岡)◇6540yd(パー72)◇晴れ時々曇り(観衆1312人)
岩井千怜はこの日、フェアウェイで2回もドライバーを使った。いきなりスタートの10番パー5(500yd)でチャレンジ。フロントエッジまで222yd、奥に切られたピンまで246yd。1Wのひと振りはピン前15mに2オン、2パットでバーディを奪った。
2度目は480ydの17番パー5。エッジまで223yd、ピンまで242yd。今度は当たり損ねで左斜面のラフへ。しかし、つま先下がりのライから60ydをピン前3mにつけ、またもバーディを奪った。
「最初のは完璧でした。迷わずドライバーを選択しました。2つ目はミスですね。ライがかなりつま先上がりで、3番ウッドにするか迷ったんですよね」。そう振り返る顔は楽しげだ。
岩井の“直ドラ”が脚光を浴びたのは、5月の「RKB×三井松島レディス」最終日。姉の明愛、山下美夢有と三つどもえとなった“史上初の姉妹プレーオフ”の2ホール目、明愛が先に挑んだ後でグリーンそばまで運び、バーディ決着につなげた。2週前のメジャー「全米女子オープン」では会心のイーグルを決めた。アグレッシブなゴルフで魅せるツインズの“代名詞”になりつつある。
ドライバーは最も飛ぶクラブだ。ただ、ティアップせず打つのはリスクもあり、それゆえほとんどのプロは試さない。岩井は一連の成功体験で“旨味”に気づいたのかもしれない。直ドラを多用する理由を尋ねられ、しばらく考えて口を開いた。「う~ん…。基本は『届くかどうか』です。『バーディにつながるイメージ』が出るか。あと、その(直ドラができる)状況に持っていけている、というのはあります。ティショットがうまくいってるってことですから」。グリーン周りが上達したこともあるのでは、と問われて「そうですね」とうなずいた。
ドライビングレンジでは1球も練習しないという。主に気をつけることは「ダフらない」「体を使って振り切る」の2点。そして、指1本分ほどの幅だけ短く持つ。普段から「ギャラリーを喜ばせたい」と公言しているが、それだけではない。実際、この日は5バーディ「67」で首位と2打差の好発進につなげた。もはや攻撃ゴルフに欠かせないワンピースだ。(福岡県糸島市/加藤裕一)