最難関ホールでエース達成 有村智恵は記録更新へ「もう一回」
◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 2日目(15日)◇熊本空港CC(熊本県)◇6623yd(パー72)
昨年4月の「フジサンケイレディス」で6度目のホールインワンを達成してツアー史上最多記録に並んだ藤田さいきに、有村智恵は「先に行かれた」と密かに思っていたという。
「記録は完全に狙っていました。現役で記録を狙える位置にいるのは藤田さんと私ぐらいで、ひとりで勝手に競っていた。でも休養宣言すると決めて、諦めていた」
12ydの打ち下ろしの8番パー3(実測値182yd/コース表示173yd)で、この日は右から強い風が吹いた。通常の距離だと「5番または6番UT」で打つところを、4UTでティショットした。
「強い球だと風が止まった時にグリーン奥に行ってしまうし、弾道を上げていこうとすると風に負けてショートをするかもしれない。イチかバチか、大きいクラブでコントロールショットしたら手応えあって、気持ちよく打てたなと思っていたら入った」とツアー史上最多記録に並ぶ6度目のエースとなった。
ピン手前に着弾した球の位置は目を凝らしていたのもあって見えたとし、観客の拍手と反応でエース達成を確信した。「去年だったらクールに手を上げるぐらいだったかもしれないけど、きょうは両手を挙げて喜びました。ギャラリーの人を見る余裕がありました」と照れつつ振り返った。
開幕前日はプレーすることに不安な素振りも見せていたが、初日を「72」で回り、2日目は1イーグル1バーディ、2ボギーの「71」でプレー。通算1アンダー21位で最終日に臨む。
今大会を終えたら再び休養に入るだけに、あす最終日に向けて「あした、もう一回という欲を持ってやりたい。きょうはテレビとか無くて寂しかったので、賞金がかかっているところ(16番/達成者全員に賞金200万円)でもう一度いい思い出を作れれば」と貪欲に挑戦していくつもりだ。
大会2日目の8番でホールインワンは有村のみで、バーディを奪った選手は2人(吉田優利、松田鈴英)だけだった。ストロークアベレージ「3.4057」と、この日は最も難しいホールだった。(熊本県菊陽町/石井操)