“下剋上V”ヘ「私も、もしかしたら」 鶴岡果恋が「67」で単独首位
◇国内女子◇ヤマハレディースオープン葛城 3日目(1日)◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6480yd(パー72)
単独トップで迎えた16番(パー4)でピンチが来ても、鶴岡果恋の顔色はそれほど変わらなかった。第2打がグリーン奥の斜面の下まで落ちたが、8mに乗せて2パットのボギーで納めた。
通算9アンダーで後続に追いつかれたが、17番で獲り返して通算10アンダー単独首位でホールアウト。「冷静に状況を受け止められて、落ち着いてラウンドできました」と去年からの成長を実感できた1日だった。
昨シーズンは得意なはずのドライバーショットが不振に陥り、気持ちの面でもミスショットひとつで崩れてしまうことが多かった。「シード選手を目指したけど、1試合も思うようなゴルフができず不甲斐ない1年だった」。出場29試合でトップ10は1度だけ。メルセデスランキング90位、賞金ランク88位とシード獲得には届かず、今季前半戦のツアー出場優先順位を決める最終QTも65位に沈んだ。
今年は「あまり喜怒哀楽を出さないように、でも笑顔は忘れず」と平常心を心がけてプレー。ドライバーショットは、飛距離を求めてフェードからドローに変えるため大幅なスイング改造に取り組んだ。「去年は相当苦しかったけど、去年の自分があって今につながっている」と自信を取り戻し、シード獲得と初優勝を目指して新シーズンを迎えていた。
推薦枠から出場を決めた今週は、苦しい時期を支えてくれた重田栄作コーチにキャディを頼んでいる。高校時代から教わる重田コーチとは、4位に入った21年大会もタッグを組んだ。昨年から「今できることをやるしかない」と言われ続け、ラウンド中も「マイナスな発言はなく、気持ちを高めてくれる」と大きな支えになっている。
先週「アクサレディス」で主催者推薦出場から優勝を決めた山内日菜子の姿も刺激になった。ツアーで初めて首位で迎える最終日。「私も、もしかしたらいけるかも。優勝したい気持ちが高まりました」と“下剋上V”に向けて意気込んだ。(静岡県袋井市/谷口愛純)