吉本ひかるVでツアー最多優勝者数を更新 「黄金世代」の初優勝をプレーバック
◇国内女子◇明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ 最終日(12日)◇土佐CC(高知)◇6228yd(パー72)
24歳の吉本ひかるが待望のツアー初優勝を飾った。2シーズン前のシード陥落からはい上がった24歳は、1998年度(同年4月から99年3月まで)生まれの“黄金世代”でもある。ツアー最多11人となっていた同学年優勝者記録を更新し、国内ツアー競技では世代通算40勝に到達した世代の過去11人の初タイトルを振り返る。
史上最年少15歳の衝撃
2014年「KKT杯バンテリンレディス」で勝みなみがツアー史上4人目のアマチュアV。当時15歳293日と国内女子ツアー最年少優勝記録を大幅に更新した。「日本女子オープン」連覇を含め8勝を積み上げた世代のフロントランナーは、今季から米ツアーに参戦する。
アマ初の国内メジャー制覇
2016年「日本女子オープン」で畑岡奈紗がアマチュアとして史上初の国内メジャー優勝を達成。チョン・インジ(韓国)らも出場した大舞台で頂点に立ち、大会後に米挑戦を表明して世界に飛び立った。日本のエースとして、ここまで米6勝と日本5勝をマーク。
プロ転向後V同期一番乗り
2018年「サイバーエージェントレディス」で新垣比菜が初日から首位を守る完全優勝。プロテストを経由しなかった畑岡が前年国内ツアーで2勝も、世代の中核をなす89期生ではプロ転向後一番乗りでのタイトルだった。昨季下部ツアーで7年半ぶりに勝ち星を挙げた。
プロテスト合格から最短23日
2018年「CATレディース」で大里桃子が最終日単独首位から逃げ切って優勝。2度目の挑戦となったプロテスト合格からわずか23日での優勝はツアー史上最短記録。キャディを務めた父・充さんと喜びを分かち合った。21年「ほけんの窓口レディース」で2勝目。
現役大学生ルーキーが独走
2019年「アクサレディス in MIYAZAKI」で河本結が後続に5打差をつけて優勝。日本体育大に通いながら前年のプロテストに合格し、下部ツアーで4勝を挙げた。大会でバッグを担いだ弟の河本力も昨年国内ツアーで2勝、日本屈指の飛ばし屋としてブレークした。
シンデレラストーリーの幕開け
2019年「ワールドレディスサロンパスカップ」で渋野日向子が大会最年少V。いきなり国内メジャーのタイトルをつかみ、3カ月後には海外メジャー「AIG全英女子オープン」を制して国民的ヒロインとなった。日本6勝を挙げ、22年からは米国に主戦場を移した。
“ジャンボの愛弟子”が涙
2019年「リゾートトラストレディス」で原英莉花がペ・ソンウ(韓国)とのプレーオフに競り勝って初優勝。”ジャンボ”こと尾崎将司の指導を受けるも、17年のプロテストでは不合格も味わった。涙の初Vから飛躍を遂げ、ここまで国内メジャー2勝を含む4勝。
シルバーコレクター返上
2019年「サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース」で小祝さくらが大会記録となる通算17アンダーで逆転優勝。プロテストに合格後の60試合でトップ10入り20回、2位が4回。”シルバーコレクター”を返上し、日本8勝は勝と並んで世代最多。
苦悶のパター乗り越え栄冠
2019年「CATレディース」で浅井咲希が初日から単独首位を守り抜いて優勝。50㎝のパーパットを外し、2mのボギーパットを沈めた幕切れ。パッティングの不安と闘い抜いた末の歓喜だった。23年にプロキャディの栗永遼さんとの結婚、第1子妊娠を発表した。
史上最長2時間プレーオフ
2022年「KKT杯バンテリンレディス」で植竹希望が通算8アンダーで並んだ西村優菜、小倉彩愛、吉田優利とのプレーオフを制して優勝。最後は吉田をバーディで振り切って涙。6ホール2時間に及ぶ戦いは1988年のツアー制以降で史上最長記録だった。
10度目の最終日最終組で悲願
2022年「フジサンケイレディス」で高橋彩華が初日から首位を守って完全優勝。前シーズンにトップ10入り21試合を記録した実力者が10度目の最終日最終組で悲願を成し遂げ、思わず感極まった。前週の植竹に続き、これが黄金世代11人目のタイトルだった。