400戦目で涙の地元V 菊地絵理香「弱音を吐いてはいけない」
◇国内女子◇大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日(24日)◇滝のCC(北海道)◇6560yd(パー72)
「緊張しっぱなしで、吐きそうだった。地元優勝の憧れはあったが、プレッシャーにも弱く勝負強さもない。自分には厳しいだろうなと思っていたし、優勝できるイメージができてなかった。ほっとした部分が出て感極まった」
34歳の菊地絵理香が地元・北海道での逃げ切りV。昨年6月「アース・モンダミンカップ」以来となるツアー5勝目に思わず声をつまらせた。
2打リードでのスタートから前半で2つ伸ばすも、13番のティショットを右の林に入れてボギーをたたいた。通算19アンダーで三ヶ島かなに並ばれたが、続く14番は157ydから7Iで左5mにつけてバーディ。「パットは下りのスライス。すごく大きかった」と渾身のバウンスバックで再び抜け出した。
今季は20歳・西郷真央ら若手の活躍が目立つ女子ツアー。30代の優勝は4月「富士フイルム・スタジオアリス」の上田桃子(優勝時35歳)以来となった。
「桃子さんが頑張っている姿を見ると、年下の私はもっと頑張らないといけない。弱音を吐いてはいけない。先輩の頑張っている姿を見ると、私も頑張れる」
2008年にプロ入りして、今大会が節目の通算400試合だった。ベテランとして存在感を放つ。
「下手と思っているから練習する。勝っている選手を見ると、うらやましい。その気持ちだけで練習をして、結果を出したい」
北海道での地元出身者の優勝は、1998年「東洋水産レディス北海道」の大場美智恵以来、ツアー史上2人目。今大会は同じく北海道出身の小祝さくらが2打差3位に入り、「北海道の選手がどんどん活躍してくれるのはうれしい」と笑顔を見せた。
「あんまり並んでから競り勝った経験がない。気持ちが揺れることなくできたのは、自分の中で変わることができた。競り勝てたのは今までにない喜び」
2週後には「北海道meijiカップ」(札幌国際CC島松コース)、5週後には「ニトリレディス」(小樽CC)と北海道シリーズを控えているだけに今季2勝目に期待もかかる。(札幌市南区/玉木充)