フェーダーになって1カ月半 永井花奈は「気持ち抑えて」逆転Vへ
◇国内女子◇アース・モンダミンカップ 3日目(25日)◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6639yd(パー72)
きっかけは5月初旬、「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」での一週間だったという。予選こそ通過しながら65位に終わった試合。永井花奈はショットの捕まりの悪さに悩み、「梅雨時に、雨が降るようになったらやっていけない…」と頭を抱えた。
自身にとって次の試合だった2週後の「ブリヂストンレディス」。かねてドローボールを得意としてきたところを、「2日目からフェーダーに変えました」。球を捕まえるのに躍起になって大きなミスをするよりも、“逆球”でマネジメントする策を選んだ。
「捕まえに行けなくなったときに、なんとかできる気がします」。スイッチから約1カ月半、フェードボールが馴染んできたところで、今週は初日の61位からひたひたと上位に忍び寄ってきた。
3日間で各日オーバーパーをたたいていないのは7アンダー首位のささきしょうこ、そして永井だけ。最終18番(パー5)では残り140ydの3打目を6UTでピン奥3mを捉え、バーディパットを沈めてガッツポーズを作った。強風が吹き荒れた2日目(70)、3日目(71)をいずれもアンダーパーでまとめた唯一の選手でもある。
「パーかボギーで。絶対にダブルボギーにしない」堅実な攻め方が功を奏し、「ぜんぜんこんなポジションで上がれるとは思っていなかった」という位置は、通算3アンダーの3位。2017年「樋口久子 三菱電機レディス」以来のツアー2勝目が手の届く位置にある。
最終日も厳しい風が、選手たちに深いラフを意識させるはず。「風が得意か不得意かは分からないですけど、自分の持ち味のアプローチが活かされるコンディション」と永井は勝機も見出す。
「落としても耐えて、大事に回ってきたい。優勝したい気持ちはあります。でも、自分で取りに行きたい気持ちはグッと抑えてチャンスが来るのを待ちたい」。54ホールでやってきたことを貫き通す。(千葉県袖ケ浦市/桂川洋一)