ひと振りで生涯獲得賞金の“倍額” 阿部未悠はホールイワンで800万円獲得

◇国内女子◇リゾートトラストレディス 最終日（29日）◇メイプルポイントGC (山梨)◇6580yd（パー72）

21歳の阿部未悠（あべ・みゆう）が後半12番（パー3）でホールインワンを達成した。最終日のすべてのパー3ホールにかかった賞金800万円をゲット。「まさか取れるとは思っていなかった」と喜んだ。

実測139yd、8Iで放ったショットは左の池には目もくれずピンに向かっていった。グリーン上で手前からわずかなスライスラインを伝ってカップイン。「ちょうどマウンドがあって、（入るところは）見えませんでした。どなたか、動画があったらください」。歓声でエースを知り、ティグラウンドを下りたところでバンザイした。

ホールインワンは昨年6月のプロテストの練習ラウンド以来、人生で2回目。「右からのアゲンストの風だったけれど、今はフェード系を打っていて、左から狙っていってみようと。攻める気持ちで打ったのが良かったのかな」という自賛の一打だった。9アンダーの8位から出て7番（パー5）までに4バーディ。上位に顔を出した矢先の8番（パー3）、10番（パー5）でボギーをたたき、気落ちしていたところで起死回生のショットが生まれた。

QTランキング23位で参戦している今季はすでに7試合で予選落ち。前週までの生涯獲得賞金385万6083円の倍以上の額をエースのひと振りで稼いだことになる。使い道はいつも遠征に帯同してくれる母と相談するつもり。「移動の車が壊れそうなので…。電気系統とかがたまにおかしい。それに充てるかも。全国どこでも車で行っています」

1イーグル7バーディ、3ボギー1ダブルボギーの「68」で通算13アンダー。レギュラーツアーで自己最高位の5人が並ぶ5位に入った（こちらの賞金は360万円）。優勝した同じ北海道出身の小祝さくらにずっと憧れ、表彰席で同席できた。「さくらさんに追いつきたいと思ってきた。少しでも近くに行けた週でした」と充実感いっぱいに4日間を終えた。（山梨県上野原市／桂川洋一）