小祝さくら 反省だらけの最終日と白星への手応え
◇国内女子◇リゾートトラストレディス 最終日(29日)◇メイプルポイントGC (山梨)◇6580yd(パー72)
「最後くらいは決めて優勝したかった」。2mのバーディパットがカップ横を過ぎるのを見て、小祝さくらは内心でガッカリした。最終18番(パー5)もパーどまり。前日に目標にしていた「5アンダー(67)」には遠い、最終日の2バーディ、1ボギーの「71」。スタート時と同じ後続に2打差をつけて逃げ切ったとはいえ、口惜しさと反省に満ちた言葉が並んだ。
開始1番は18ホールでもっとも易しい平均スコア「4.6894」(4日間合計)のパー5。3打目のアプローチでピンを大きくオーバーさせた小祝は「本当にミス。思ったよりも強く入ってしまった。下りもしっかり見ずに曖昧に打っちゃった」と、不満のパーで滑り出した。
出だしの“つまずき”は混戦を招く。2番から2連続バーディを決めたサイ・ペイイン(台湾)に早々に追いつかれ、前半アウトのバーディは4番のひとつだけ。「全然伸ばせなくて、結構厳しいんじゃないかと思った」。並走して迎えた後半12番(パー3)で、1.5mのチャンスも外した。「64」をマークした前日から一転、カギに挙げていたパッティングが「ホントにダメダメ。耐える感じになりました」と足かせになった。
“決勝点”になった13番のバーディも「ラッキー」と振り返る。7mのタッチが「ちょっと強めに入った」から。ショットについても「アイアンが良い感じではなかった。しっかり修正しないと、(次週)全米女子オープンではアイアンショットが曲がると難しいところに行ってしまう」と早くも渡米後のメジャーに向けて修正ポイントを挙げた。
反省だらけの一日。とはいえ、シーズンを俯瞰すると手応えは十分ある。昨年8月「CAT Ladies」以来の7勝目までの期間は長かったようで、「逆にすごく頑張って、早く勝てたほうだと思う」と胸を張った。持ち球だったドローボールが昨秋に暴れ出し、試行錯誤に明け暮れた。「このままではマズイ」という危機感から、今季新たに吉田直樹コーチに師事した。
ドローの修正から始まり、予選落ちした前週末にフェードボールの習得に本格的に取り組み始めたばかり。アウトサイドイン軌道、アドレスはティイングエリアの右サイド、というフェードを打つ上での基本的な約束事を試合で徹底し始めたのが今大会。「コーチもスイングも変えた。そう、うまくは行かないだろうなと思っていた」と成績は度外視していた。
最高の手土産を持って30日(月)に渡米する。今季の開幕前はメジャー挑戦への意欲は少なく、新型コロナウイルスのワクチン接種も済ませていなかった。心変わりしたのも、新コーチの影響がある。「ちょっと挑戦してみたいなと。コーチは英語を話せる。それで心配も減るというか」。予選落ちした20年12月の「全米女子オープン」以来のチャレンジに心は踊る。
米ツアーで戦う畑岡奈紗、渋野日向子といった同世代の選手の存在も大きい。「刺激になりますね。古江彩佳ちゃんも年下ですけど、活躍しているのを見てすごいなと」。その後輩は日本時間のこの日、米ツアー「バンク・オブ・ホープLPGAマッチプレー」でベスト4進出の快進撃を演じた。見上げるばかりではいられない。(山梨県上野原市/桂川洋一)