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不合格の翌日から練習…シブコの先輩、成澤祐美「落ち込んでいる暇はない」

新型コロナウイルスのため延期された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2020年度最終プロテストが6月25日に終了、通算4アンダー20位タイまでの22人が合格率「3.3%」ともされる狭き門を突破した。一方で壁に阻まれた選手の大半が、すぐに始まる21年度テストに向けて動き出した。彼女たちは何を思い、チャレンジを続けるのか。その素顔に迫る。

■調子良し、自信を持って臨んだ最終プロテストで「落とし穴」

最終プロテスト最終日の翌日、23歳の成澤祐美はコースにいた。岡山県作陽高時代から住み続ける岡山県津山市に戻り、久米CCでクラブを握った。「落ち込んでいる暇はありません。すぐに次のテストがありますから、自分に何が足りなかったかを分析し、ラフからのショットを練習しました」

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最終進出は、16年度、18年度に続いて3回目で、「初めて自信を持って臨めました」と振り返る。理由は会場の静ヒルズCC(茨城県)での練習ラウンドで60台のスコアを連発。6月上旬に同コース行われた競技会「竹取物語」(1.5ラウンド)でも、通算6アンダーで優勝していたからだ。そこに落とし穴があった。「ずっと調子が良くて、フェアウェイを外していなかったので、ラフからのキャリーを出す練習ができていませんでした。池が絡むホールがある中、フライヤーでグリーン奥にボールが行くのが嫌で、初日からショートして池に落としてしまったり」

結果、第1日は「75」で82位と出遅れた。第2日はショット、パットがかみ合い、「69」でイーブンに戻して41位に浮上。合格への希望が見えたが、残り2日は「74」、「74」と伸ばせずに通算4ーバーの59位で戦いを終えた。「第2日を終えて上位がすごいスコア(首位は9アンダー)だったので、焦りも出て、パットが打てずにバーディチャンスを逃し続けました。でも、結局は1日1アンダーの4アンダーで合格できていたんですよね…」

■すぐに始まる21年度テスト…「ダメだと気持ち切れるかも」

直後は、さすがに落ち込んだという。テスト1位合格の佐久間朱莉も含め、「竹取物語」では自分に負けた選手が複数人合格している。その現実も直視できなかった。「北海道から来てくれていた母親が運転する車の中で、ずっと、グチグチ言っていました。でも、母は言ってくれました。『やれる(合格できる)ところまで来ている。すぐに気持ちを切り替えて、頑張りなさい』と。確かにそうだと思い、空港で別れる時には、もう前を向けていました。母に助けられました」

津山市の自宅に戻った後は、高校時代の1学年後輩、渋野日向子が「全米女子プロ選手権」の第3日を終えて、号泣する映像を目にした。そして、成澤は思った。「あの渋野も苦労している。ゴルフに悩みはつきものだし、下を向かずに走り続けないと」。渋野とはいつでも連絡を取れる関係だが、今は自分のことが大事。参加している「DSPE」(ツアープロを目指す女子ゴルファーを支援する団体)メンバーとも、最終の会場ではあいさつ程度にしていたという。

「最終には私を含めて8人が残っていましたが、全員合格できませんでした。誰かしら通るとは思っていましたが…。でも、『通ってほしい』とは思いませんでした。普段は仲間でも、テストでは少ない枠を競うライバルですから」

21年度テストは、最も早い1次予選が8月18日から始まる。最終進出で1次免除の成澤は、10月12日から始まる山陽GC(岡山県)での2次予選を受験予定。だが、最終プロテスト(11月2~5日)進出を想定して会場になる城陽CC(京都府)での練習ラウンドを計画しているという。「今回と同じ失敗をしないように、ラフを含めて入念にラウンドしていきたいです。年に2回テストがある今年に懸けている人は多いはず。これでダメだと気持ちが切れてしまうかもしれないので、ここで絶対に受かりたいです」

昨年の「日本女子オープン」で26位に入った実力者は、次が6回目の挑戦だ。「今回、最終のカットラインが4アンダーだったので、2次から毎ラウンドでアンダーを出すことを意識します」。家族をはじめ、応援してくれるの人のために、残り4カ月にすべてを懸ける。

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