4日間大会で2勝目をつかんだ青木瀬令奈「胸張って優勝できたと言える」
◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 最終日(13日)◇六甲国際GC(兵庫)◇6517yd(パー72)
ツアー初優勝から約4年。青木瀬令奈は4日間やり切ってつかんだ2勝目に涙を流して喜んだ。2017年「ヨネックスレディス」の初勝利は、初日に雨天中止となり、2日競技だった。「自分のなかでもあったけど、周りの人からも『ちゃんと3日間で優勝しないと優勝じゃない』って言われたこともあって、やっと胸張って優勝できたと言えるような気持ちです」
最終日は今年5勝の稲見萌寧を4打追って2位からスタートした。稲見が3日間ノーボギーとあって、「自分が頑張るしかない」という気持ちで臨んだ。「萌寧ちゃんもきっと人間だろう。ミスするときはするだろうし、ミスしても結局リカバリーしてバーディを獲るかもしれないけど、人間だから何かしら起きるときは起きる」。そんな思いだった。
プレー中は「緊張するとあがったりするので抑えようと表情筋を“無”にしてやろうと思っていた」と青木。それを見たキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が笑わせようとしてきたこともあり、「笑いをこらえながらのラウンドでした」と振り返る。
2勝目までの道のりは「長かった」。2018年、19年と2位で終えた大会はあったが、あと一歩のところで優勝に手が届かなかった。20年でトップ10に入ったのは「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」の9位。なかなか優勝争いをするような位置に食い込めなかった。21年は5月の「中京テレビ・ブリヂストンレディス」で4位に入ったものの、予選落ちが5回と「本当に不振だった」。
コロナ禍で試合が次々と中止になったこともあって、先行きの見えない将来に心のなかでは漠然と不安を抱えていた。「このコロナで失業された方もたくさんいて、数年後に対して『どうしようかな』とふと思った。去年あたりから『何歳までかな』と終わりを自分で決めてしまった部分はあった」。そんな憂いを払しょくしての優勝だった。
「(今週は)強く優勝したいと持ち続けた1週間だった。これから先も一つひとつ、積み重ねを怠ることなくこなしていって、また3勝目に向かって頑張りたいと思います」。28歳。競技人生はまだまだ終わらない。(神戸市北区/石井操)