「嫌」から「美しい」に変わった罠 成田美寿々が挑む2年ぶりの葛城GC
◇国内女子◇ヤマハレディースオープン葛城 事前(31日)◇葛城ゴルフ倶楽部山名コース(静岡県)◇6564yd(パー72)
「今でもここで勝ったことが信じられないです」と成田美寿々。2019年大会は通算5アンダーで制したものの、それまでは5度出場してベストフィニッシュは40位。19年大会も「防御、防御で、絶対3パットしないという信念でやったら結果が良かった」とある意味、無欲の勝利だった。
「落ちるところまで落ちた」という昨年を経て、「第2のゴルフ人生、第2章が始まったと思って、楽しんでゴルフと向き合いながらやれている」という21年。「4戦中3戦予選落ちしているけど、自分的には考えながら楽しんでゴルフが出来ているので、あとは結果がついてくれば」と視線は上向きだ。
井上誠一設計の難コース。17年は初日に2アンダー5位発進しながら、2日目に「81」で予選落ちをしたこともある。「コースにある罠という罠が全部嫌だったけど、(今週は)2日間練習ラウンドをして、設計者の意図も分かって“美しい罠”だと思ってラウンドできた。勝った自信もあるかもしれないけど、好きになったんだと思う」と、優勝してコースの見え方も変わってきた。もちろん、自身の調子もそれに応えられるレベルになってきているということだろう。
思い出したのは、2年前、夢にアリヤ・ジュタヌガンが出てきて使うことにした中尺パター。「先週(パットが)入らなかったので、気分転換に替えようと思った。あのパターがあるな、また一緒に戦いたいなと思った」と、今週も「テーラーメイド スパイダーX-72」を投入している。
今年、大会ポスターのキャッチコピーは「桜はふたたび、咲き誇る」。成田はコース進入路にある美しい桜並木に目を細めつつ「今は9分咲きくらいだと思うけど、なんとかもう少し我慢して、最終日に満開で『再び咲き誇る』になりたいです」と希望を語った。(静岡県袋井市/今岡涼太)