渋野日向子の苦悩「去年と比べてしまう自分が情けない」
◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 2日目(31日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6585yd(パー72)
4カ月ぶりに国内ツアーに復帰した渋野日向子は「77」で回り、通算5オーバーの65位。2020-21シーズン開幕戦となった6月の「アース・モンダミンカップ」に続き国内ツアーは2試合連続で予選落ちを喫した。
厳しい現実と向き合い、インタビューエリアで必死に言葉を紡いだ。「何回、この悔しい思いを経験すればいいんだ、って思いますけど。でも、これが実力ですよね」。32位から出て2バーディ、3ボギー2ダブルボギー。夏場の2カ月に及んだ米ツアー転戦の終盤には好感触があった。「アメリカでショットが良くなっていた分、少し自分に期待していたんですけどね」と本音をこぼした。
前半5番でダブルボギー。グリーン手前の第3打で58度のウェッジを握った。傾斜に切られたピンを越えたボールは、硬く締まったグリーンから転がり落ちた。「キャリーの半分転がるイメージだった。ちょっと強く入ってしまった」。第4打の寄せはピンまで3mを残して2パットした。
国内開幕戦はオフに徹底的に練習を重ねてきた52度のウェッジを多用し、ミスが出ていた。「58度だけじゃなくて、ほかのクラブを使って簡単に寄せる練習をもっとしないといけない。(練習はしているが)怖いというのがあって、持てていないですね。自信がないから、今まで使ってきたもの(58度)に頼ってしまう」
7番で2つ目のダブルボギーをたたいた。フェアウェイバンカーからの第2打でグリーンをオーバーし、10mから3パット。「数字的にはすごく良かったパッティングが、いますごく足を引っ張っている。何打損をしているんだって感じですよね」。昨季全体2位につけた平均パット数(パーオンホール)。高速グリーンの今大会は初日が31パット、この日は33パットを要した。武器としていたパットでスコアを落とした。
昨年は日本人として42年ぶりの海外メジャー制覇を含め、日米5勝を挙げた。恐怖心とは無縁で突き進んだルーキーイヤーから進化を求めた今年。「ストロークのリズムも安定していない。去年どうやって打っていたんだろうと思ってしまう自分がいる。それ(去年との比較)はダメなことなんですけどね」と自分に言い聞かせるように言った。
次戦は「TOTOジャパンクラシック」。実質プロ2年目の秋に迎えた、乗り越えるべき壁が立ちはだかる。「受け止めたくないけど、受け止めないといけない結果。去年の自分と比べてしまう自分が情けなくなる。でも去年の自分と比べていたら前には進めない」。強い覚悟をにじませ、練習場へと向かった。(埼玉県飯能市/林洋平)