「地べたから」 渋野日向子パー3ホールのこだわり
2020/10/31 07:50
◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 初日(30日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6585yd(パー72)
渋野日向子が第1ラウンドの前半8番(パー3)で獲ったホールインワンには伏線がある。
最初のパー3、4番の第1打はグリーン手前に落としピンチを招いた。下りの3.5mのパーパットを沈め、スコアこそ落とさなかったが「ティを刺して打った。ミスショットじゃないけど、かなり距離が違った。あれだけ第1打をショートしたのには理由がある」。経験に裏打ちされた分析。「(その後のパー3の第1打では)ティを刺さずに、地べたから打つ」とすぐに判断を切り替えた。
10月中旬まで2カ月転戦していた米ツアーではパー3でティペグを使わず、第1打を放つことが増えていた。計6試合出場したうちの5戦目「ショップライトクラシック」からUTで第1打を放つ際にティペグを使わない選択が増加した。
転戦最終戦のメジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」ではショートアイアンでもティペグを使用しないパー3が増えた。「ロングアイアンは使ったり、使わなかったりでしたね」。状況や番手、ショットの感触に応じて使い分けていた。
「日本ではこれまでほとんどやっていなかったので(4番では)迷いがあったんですけど、海外に行ってから(ティペグを使わないことが)増えていたなと。(地べたから打つと)単純にスピン量が変わる。ティを刺すと、自分の中で良い当たりをしても若干天ぷら気味なったりしていた」
ティペグを使わずに8Iでねじ込んだ8番。同組の小祝さくらも「ピン筋にいってすごかった。あのピン位置で入るのはさすが」とうなった一打。その裏には、長期転戦で自らのものにした“引き出し”がある。(埼玉県飯能市/林洋平)