8本からパター選択 悩める鈴木愛が大坂なおみから学んだもの
◇国内女子◇デサントレディース東海クラシック 事前(16日)◇新南愛知CC美浜コース(愛知)◇6456yd(パー72)
賞金女王の鈴木愛はグリーン上の悩みを打ち明ける。「ここ最近フィーリングは良いけどパットが全然入らない。(ストロークの際)右肩が少し上がったりちょっと修正する点はあるけど悪いわけではない。気持ちが切れるくらいですけど、やるべきことはやっているので」。ここ数週間、1日の練習は7~8時間で多いときは10時間。報われない努力に苦笑いが交じる。
昨季25試合の出場で2回だった予選落ちは、今季5試合で2回。4年ぶりの制覇を期待された前週の国内メジャー「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」も予選落ちした。「ショットの調子は本当に良いんです。先週一緒にやった清水(重憲)キャディからも『パットが決まれば4つ5つは伸ばせている』と言ってもらって。私も先にバーディが来れば、ある程度は伸ばせたかなと思うくらいチャンスはあった」と流れの悪さを実感している。
ここ数試合はピン型のエース「ピン ヴォルト アンサー2」や昨季終盤に3連勝を遂げたマレット型「ピン G Le2 ECHO」など、普段よりも多い7、8本のパターを会場に持ち込む。感覚や芝質に合わせてて使用パターを決めている。
新型コロナウイルス感染拡大により23試合の開催が見送られ、20、21年が統合された今季。1ラウンドごとにフラストレーションは溜まるが、長いシーズンに前を向く。「自分に腹が立ったりもするけど、長い目で見ればこういうことはある。今年は(例年の最終戦)リコー(カップ)で終わりじゃないので」
ポジティブに考えるようになったのは、テニスの「全米オープン」女子シングルスで優勝した大坂なおみの決勝戦を見たからだという。「インタビューも見たんですけど、第1セットを落として『イライラするところがあった』と言っていた。でも2セット目からポジティブに戦って逆転した。コーチを変えてもやるべきことをやって優勝された」
では、自分はどうか。パットは「そろそろ入ってほしいんですけど…」と本音を漏らしつつ、「不調が、来年のこの時期に出なくて良かったと思っているんです」。名手もやるべきことを続けて勝機を待つ。(愛知県美浜町/林洋平)