S.ランクン初V大会 渋野から祝福「感謝」
新型コロナウイルスの影響で中止となった「ニッポンハムレディスクラシック」の昨年覇者、S.ランクン(タイ)が8日(水)、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が行ったオンライン記者会見に参加した。
約4カ月遅れで開幕した2週間前の「アース・モンダミンカップ」は通算8オーバー127位で予選落ちに終わった。「ショット、コースマネジメントがうまくいかなかった。今は一打に意味を込めて練習をしている」と反省を生かして日々取り組む。今季の目標は通算2勝目と予選通過率の向上。賞金ランキング31位だった昨季は9度予選落ちを喫しており、その数を減らすことが課題という。
昨年末、千葉県袖ケ浦市に部屋を借りて拠点とし、キャディとして一緒に転戦する父・スラットさんと生活する。新型コロナウイルス感染が世界的に拡大した2月末以降も日本に滞在してきた。「(自粛期間は)父との時間が増えたのでたくさん話しました。去年はホテル生活。日本ではゴルフ場も使わせてもらっている」。所属先をはじめ、契約する太平洋クラブから練習環境のサポートを受けているという。
「微笑みの国」からやってきた人懐っこい20歳。今年2月にはタイのパタヤで合宿中だった渋野日向子に「サプライズで」会いに行き、2日間一緒に練習した。タイ料理は口に合うか、気候はどうかなど、会話は「他愛もない話ですね」と笑うが、渋野に感謝の念を抱いている理由がある。
2017年から2シーズン連続で中国ツアーの賞金女王に輝き、日本ツアー参戦1年目で初優勝を果たした前年の「ニッポンハムレディス」。先にホールアウトした渋野が、自身の優勝を見届けるために18番グリーンに残って祝福してくれたという。「(渋野の)顔を見たときに驚きました。先に上がっているはずなのに」。言葉の壁はあるが、友人として親交を深めている。
ツアーの次戦は最短でも8月の「NEC軽井沢72」となるが、「練習環境もありますし、日本にいようと思っています」。読み聞きで現在勉強中の日本語の好きな言葉は『ありがとう』と『よろしくお願いします』。「人への敬意が込められているので」と、若くして礼節をわきまえてもいる。