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丹萌乃「やめないといかん、となるのはつらい」/女子ゴルファーの新たなサバイバル その(1)

2019年、多くの女子ゴルファーにとって職場を失いかねない荒波が押し寄せた。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のツアー出場優先順を決める予選会(QT)に出場するには、プロテスト合格などで得られる「正会員」の資格が必要になったためだ。それまではプロテストに通らなくても、QTで上位に入れば単年登録でプレーできたが、規定変更でスタートラインにすら立てなかった。そんな選手の行き場はどこに?「女子ゴルファーの新たなサバイバル」を追った。

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15日から4日間72ホールの日程で行われる中国ツアーのQT(予選会/中国・海南省の神州GC)。昨年16人だった日本勢は今年、34人もの選手がエントリーした。初めて挑む23歳の丹萌乃もその一人だ。「試合が大好きなので、中国QTに通って試合に出て、日本のプロテストに合格したい」。愛媛・松山市内で取材に応じ、2020年の目標を明かした。

「中国は行ったこともないです。最初は環境面に抵抗があったけど、いろんな人に話を聞いて、今は不安もありません。食べ物も意外となんでも食べることができる。そこは大丈夫」

18年のステップアップツアー「山陰合同銀行 Duoカードレディース」で優勝を果たした。19年は、単年登録者として国内ツアーに参戦。35試合に出場し、賞金ランキング91位。目標としていた正会員資格を得ることができる優勝や、50位以内のシード獲得はならなかった。

「雰囲気も違うし、周りがまったく見えてなかった」と11月のプロテストも5年連続で失敗した。国内ツアー出場権を争うQT制度の変更で、20年シーズンはレギュラーツアーも下部ツアーも出場できない。

「今年ダメだったら、ゴルフへの気持ちが持つかはすごく考えた。たぶん、持たない。親にも『あと何年って決めてやらないとダラダラいくよ』って言われた。でも他にしたいことも、できることもない。ゴルフが好きだからやめたいと思ったこともない。(今年ダメなら)引退も考えないといけない。やめないといかんってなるのが一番つらい」と話した。

日本でのプレー機会が大幅に制約される20年シーズン。今後の生活費や活動費は昨年獲得した賞金(826万4333円)や所属契約1社、スポンサー契約3社との契約金などで工面する。金銭面で家族からの援助はないが、「余裕はないが、やってはいけている」と明かした。

7歳からの競技人生で、岐路に立たされていることは十分理解している。「18歳、19歳とか試合がなかったときが、ほんまにしんどかった。毎日練習だけでモチベーションが上がらなかった。それを考えて中国に行こうと。試合があったらそれに向かって頑張っていける。試合が大好きなので」と決意を新たにした。

年始は1日から自宅のある愛媛・西条市でトレーニングをスタート。初詣のおみくじは「大吉」を引き当てた。「最近は少なくなったけど、名字の『丹』から昔はよく中国の人に間違えられました。日本にそんなにいないらしくて」と笑顔を浮かべ、新天地での活躍を目指して中国へ発った。(編集部・玉木充)

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