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前日は“球聖”映画に感涙 渋野日向子「ギャラリーいた方が燃える」

◇国内女子◇スタンレーレディスゴルフトーナメント 最終日(13日)◇東名CC(静岡)◇6572yd(パー72)

台風19号の影響により初の無観客試合で行われた最終日。25位で出た渋野日向子は9ホールをこの日ベストの「32」で回り、通算5アンダー6位で終えた。27ホール短縮競技は賞金加算額75%。今大会不在だった賞金ランキング1位・申ジエ(韓国)との差は約600万円に縮まった。

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地響きのような歓声も悲鳴も聞こえない。大会側が安全面を考慮し、観客を一切入場させないことを決断したこの日。渋野は、昨季主戦場にした下部ステップアップツアーや観客なしのプロテスト、予選会に似た雰囲気を感じ、「ギャラリーがいた方が、私はやっぱり燃える。どこにボールが乗ったかもわからなかった。普段(グリーンに乗せ)『ナイスオン!』って言ってくださるのが、ありがたいですよ」としみじみ感謝した。

出だしの10番(パー3)、10yd弱のチップインでバーディ発進したが、続く11番(パー5)で迷いが出た。前日の豪雨のため重くなったグリーンで短いパットを外した。「重いな、とは思ったんですけど、その後も打ち切れないホールがありましたね」と振り返った。16番(パー3)は2度目のチップイン。カラーから4mを沈めた17番と合わせて3度、グリーン外から放り込んで計10パット。「最終的に4つ伸ばせた。9ホールだったので、最初から攻めていかないといけないと思っていた」と話した。

台風が上陸した前日は宿舎にこもって、ゴルフ映画を鑑賞した。生涯アマチュアを貫き、4大メジャー制覇となるキャリアグランドスラムを達成、「球聖」と呼ばれたボビー・ジョーンズのキャリアを描いた作品だ。プレッシャーから手が震える主人公に「勝ち続けていくと、つらいって言う場面があった。私は、勝ち続けてはないですけどね」と苦笑しながらも、「ただ、ちょっとわかるなっていう部分があったり、私も最近手が震えるところがあったりした。最後、感動して泣いちゃった」と感情移入して涙が出たという。

次週はオフとし、2週間後の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」に出場する。総額2億円、優勝3600万円とツアー最高額の大会だ。史上最年少の賞金女王へ向けて「そこは大事になると思う。残り試合はいずれも上位に入っていかないといけないと思う」と決意を新たにした。(静岡県裾野市/林洋平)

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