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熱狂のV争い 渋野日向子が紡ぐ新たなストーリー

◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 2日目(17日)◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6705yd(パー72)

有数の避暑地、軽井沢が熱気に満ちた。3打差を追った渋野日向子が「68」で回り、通算9アンダーの2位タイに浮上。海外メジャー「AIG全英女子オープン」制覇から2戦目で首位に1打差につけ、今季国内3勝目へ「明日またしっかり伸ばしたい」と力を込めた。

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蝉の鳴き声だけが響く、数秒の静寂に包まれた17番(パー3)。渋野が首位に1打差に迫る2mを沈めると、グリーン周りは大歓声に変わった。直前の16番(パー5)では、刻んだあとの第3打をグリーン奥のラフに打ち込みボギー。今季バウンスバック率1位(26.8456%)は「獲りたいところで落とした。カッチーンって(笑)。そこであと2つ獲らないと、と思った」。最終18番は129ydを9Iで4mにつける2連続バーディ締めで、真骨頂を見せた。

日本人女子で42年ぶり2度目になるメジャー優勝を果たした20歳の“笑顔”を見ようと、大会2日目では今季2番目に多い9481人の観衆が来場。前半6番までにバーディ直後にボギーをたたく嫌な流れを2度繰り返し、「なかなか伸ばしきれなかった」と停滞が続いた。クラブハウス付近でギャラリーが集中する9番(パー5)では、第3打を2mに寄せて拍手と喝采を浴びた。観衆と一体になるような雰囲気を作り、10番までの3連続バーディにつなげて首位を争った。

過密日程の中をプレーする凱旋2連戦。前週の発熱こそ引いたが、咳が止まらず夜中に目が覚める日があるという。同組選手に気を遣い「(笠)りつ子さんの打つ前にめっちゃ我慢して、そのあと一気に出ちゃった(笑)」。それでもゴルフへの影響はないそうで、あっけらかんと笑い飛ばした。

ハーフターン時には2020年東京五輪ゴルフの女子代表コーチに就任した服部道子と会話を交わした。服部に「取り込まれるような笑顔。ずっと見ていたい選手」と評され、「五輪に出るには1試合1試合、気が抜けない」と引き締めた。今季開幕前は563位にいた世界ランキングは、五輪代表入り圏内の日本勢2番手(14位)まで浮上。一気に女子ゴルフ界の中心になるまで上り詰めた。

今季4度目の最終日最終組は、同学年の原英莉花らと同組になる。「全英」を含めた過去4度の最終組で、唯一勝利を逃したのが、同スコアでスタートした原に競り負けた今年6月の「リゾートトラストレディス」だった。「(今季年間)1億円という目標がある。優勝を目指したい」。新たな“シンデレラストーリー”の1ページを、軽井沢で刻む。(長野県軽井沢町/林洋平)

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