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「お互いに頑張って優勝しよう」三橋達也は、大親友と交わした約束を胸に・・・/マンシングウェアオープンKSBカップ

4番パー4で「自分の弱さが出た」。ティショットが突き抜けて、フェアウェイ右のラフ。脱出の第2打は2段グリーンの奥のカラー、この日のピン位置は、急勾配の段の下だ。ほとんど、カップの逆方向を向いて打った第3打は寄せきれず、3パットのダブルボギー。リーダーのトラブルにつけこんで、下位の選手が次々と猛チャージをかけてきた。

インドのジーブ・ミルカ・シン、今季初シードで今年好調の増田伸洋、そして日大同期の片山晋呉・・・。

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いつもの自分ならこのダブルボギーに消沈し、ライバルたちの勢いに気おされて、そのままズルズル後退していたことだろう。

ほかの選手が休んでいるときこそ、俺のような選手がやらないと・・・

ツアーの出場権さえ失った2002年シーズンから、契約先プレジオの社長と取り組んできたメンタルトレーニング。去年からトップアマの兄・隆明さんと続けてきた、「もともとのスウィングを根本から覆す」スウィング改造。ファイナルQTの資格で出場権を取り戻したこのオフは、「ほかの選手が休んでいるときこそ、俺のような選手がやらないと、いつまでたっても差は縮まらない」と、1月から丸2ヶ月間、高知県でみっちりとラウンドレッスンを繰り返し、新シーズンに備えてきたのだ。

「ピンチを迎えたいまこそ、それを発揮しないでどうする」と、三橋は思った。

それに何より、大親友との約束もある。

2000年7月、くも膜下出血で亡くなったプロゴルファーの小島礼志さん。小学生時代からの幼馴染みで、いちばんのライバルだった小島さんは、三橋より1年早い98年にプロ転向を果たした。さあこれから、というときだった。亡くなる直前の試合会場でも2人、「お互い頑張って早く優勝しよう」と誓い合ったばかりだった。その数日後、小島さんは忽然と、三橋の前からいなくなった。

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