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比嘉一貴がアジアンツアーのブラックリストに?「お前が、HIGAか!」

◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 3日目(20日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7081yd(パー71)

一年前、23歳の比嘉一貴はバングラデシュにいた。日本ツアーのサードQT第2ラウンドでスコア記入を誤り、過少申告により失格。行き場を失いアジアンツアーの予選会を受験し、同下部ツアーをプロ1年目の主戦場にした。

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初戦となった「BTIオープン」は、同国の首都・ダッカで開催されたが、事前にツアー側にメールを送っても返事は一切なかった。「試合にはエントリーしたはず。何度連絡をしても、案内はともかく返事もなくて…。まあ行ったらなんとかなるか」と困惑しながらもそれほど気にせずに入国したという。

会場に着くと、ツアー関係者に「お前が、HIGAか!」と言われた。なんでも「アジアンツアーのメールアドレスを登録していたんですけど、違うアドレスから僕に返事をしていたらしい。それが僕の迷惑メールのフォルダーに入ってたんですよ。むしろツアー側からは、『この試合は本当に出るか』と連絡が来ていたのに、(迷惑フォルダーで気づかず)返事を返さない僕が、逆にブラックリストに載っていました」と行き違いになっていたことが発覚した。英語が苦手で身振り手振りでコミュニケーションをとったことも含め、今では笑い話の思い出になった。

同大会で4日間首位を守る完全優勝を果たし、2016年「日本オープン」でローアマに輝いた実力を見せつけた。「日本とは違う芝で、試合に出られることは良い経験になった」。ただ、やはりそこは海外。現地のハウスキャディは、「2位の選手は、これくらい(キャディに)給料を出しているぞ」とわかりきった嘘をつき、料金の増額を要求。クラブハウス内のレストランで食事中にも、後ろに来て交渉してきたという。「大変なことの方が多いですよね。(治安的にも)ホテルを出られないことばっかりだし。優勝しても賞金は100万円ほど。トップ5に入らないと転戦は赤字ですよ」。

昨季は同ツアー6試合に出場しトップ10を外さず。たくましさを増し、後半戦を中心に計9試合出場した日本ツアーでは「日本でやれる喜びはありますよ。同じプレーをしても賞金が違ったりするし。そこは大きいですよね」と賞金ランク60位で初のシードを獲得した。しかし賞金ランク上位6人に入ればアジアンツアーに昇格できる同下部ツアーも魅力的で、今季4試合に出場しすでに1勝をマーク。「来週ブルネイにいきます。戻ってきて、(国内ツアー次戦の)『中日クラウンズ』かな」。

首位と2打差の通算8アンダー4位タイで最終日を迎える。「まずは初優勝したいですって言わなきゃいけないと思うんですけど…。本当は、今年(日本で)2、3勝狙っているんですよね」と素直に笑った。(三重県桑名市/林洋平)

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