「全然ダメ」5打差追うケプカは夕闇の居残り特訓
◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 3日目(17日)◇フェニックスカントリークラブ(宮崎)◇7027yd(パー71)
日没が近づいたドライビングレンジで、世界一のゴルファーが猛然とクラブを振り込んでいた。3日連続でアンダーパーとしたものの、浮上を狙ったムービングデーは「69」。世界ランキング1位のブルックス・ケプカは、首位に5打差の通算7アンダー8位タイにつけながら「全然ダメだった。ショットもパットも全部ダメ」とフラストレーションをためてホールアウトした。
1996年に尾崎将司が達成して以来の2度目となる大会3連覇に、黄信号がともっている。一昨年は2日目に首位に立ってから逃げ切り。昨年は初日からトップを譲らぬままゴールテープを切ったからなおさらだ。この日は4番(パー5)でイーグルを決めた直後、5番で第1打を右の林に突っ込み、脱出に2打を要して3年目で初めてのダブルボギーを喫した。バーディ以上を記録したホールは一昨年が24で昨年25。今年は最終日を残して13にとどまっている。
最終日の目標スコアを問われ、はき捨てるように「いまは考えていない。3日間できていない良いプレーをとにかく目指すだけだ」と言った。
足早にクラブハウスに引き上げ、食事をとってから夕刻の練習場に飛び出すと“居残り”を開始。巨体でクラブを振りちぎるが、捕まったボールがなかなか出ず、飛球線上の地面にポールを突き刺して打ち出しのチェックを始めた。キャディにスマートフォンで動画を撮影してもらい、アドレス、スイングを修正。1Wショットを連続して約20球打ち込んでも疲れた様子を見せず、後方で見守ったファンに底なしの体力も印象付けた。
あたりは夕闇に包まれ、気づけば、練習場にまだいたのは宮本勝昌、招待選手のスコット・ビンセント(ジンバブエ)だけだった。(宮崎県宮崎市/桂川洋一)