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「まるでウッズ」松山英樹が魅せた週末

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(11日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262 yd(パー70)

前日までの雨は上がり、澄んだ空気の先に時折、富士山が顔をのぞかせた最終日。昨年比3613人増となる8689人のギャラリーの視線の先には、松山英樹がいた。だが、期待に胸を膨らませた彼らがこの日に目撃したのは、不調にあえぐ松山の姿だった。

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力強いスイングに漏れるギャラリーの感嘆の声とは裏腹に、球は松山の意図しない方向へと飛んでいく。「練習場ではすごく良いのに、コースだと違うとなると、やっていることが間違っているということ」と、ラウンド中に懸命にきっかけを探したが、答えは見つからないまま。この日は2バーディ、4ボギー1ダブルボギーの「74」と、通算4オーバーへスコアを落とし、46位で大会を終えた。

だが、最終日に同組でプレーした藤田寛之はそんな松山をフォローした。「調子自体は良くないのだろうが、ポテンシャルは日本でプレーをしていた時よりもすごいものになっている。きょうは全ショットを一番の特等席から見させていただいた」という。「昨日、上り1mのパットを外したけど、(同組になれたので)外して良かったと思えるくらい」と絶賛した。

約1年ぶりに日本でプレーした松山効果で、1週間の来場者数は前年よりも7398人増え、過去4年で最多となる2万1285人を記録した。その中には、ギャラリーと同じピンクのリストバンドをしたPGAツアーのスタッフも混じっていた。

「ギャラリーと同じ体験をしながら、松山を見たかった」。大ギャラリーの波の中、並んで歩いていた彼は「まるでタイガー・ウッズがプレーしているみたいだ」と、ぽつりつぶやいた。(静岡県御殿場市/石井操)

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