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反省の一人暮らしから初優勝 25歳・出水田大二郎の改心

◇国内男子◇RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント 最終日(26日)◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡)◇7151yd(パー72)

183㎝、88㎏。期待の大型プレーヤーが待望の初優勝を飾った。11アンダーの首位から出た出水田大二郎(いずみだ・だいじろう)が5バーディ、2ボギーの「69」をマークし、通算14アンダーとして後続を1打差で振り切った。鹿児島県出身、夢はオリンピック出場の25歳。初めてシード選手としてプレーした今季、地元九州で努力が結実した。

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プロ8年目で初の最終日最終組。サンデーバックナインに逃げる苦しみは想像以上だった。後半13番(パー5)でパーどまり。14番、16番をボギーとしてリードを失った。後続に並ばれたその瞬間、心を強く持った。「流れが良くなかった。でもまだ残りホールはある」。続く17番(パー3)、5mのラインを読み切り、起死回生のバーディでガッツポーズを作った。「震えながら打ちました。もう止まらないと思って」。ウィニングパットは1mのパーパット。「信じられない気持ちです」。ボールを拾い上げ、目線を上げると、大歓声と仲間たちの手荒いウォーターシャワーの祝福が待っていた。

鮮魚店を営む父の勇光さんは、水泳で学生時代に全国レベルの実力を誇った。小さい頃から運動好きだった大二郎が、真剣にゴルフに打ち込み始めたのは小学校4年生のとき。「習い事の中で一番楽しかった」。横峯さくらの父・良郎氏が鹿児島県内で開いたスクール「めだかクラブ」で腕を磨いた。それまで力を注いできた「水泳、空手をやめること」が入校の条件だった。女子プロの香妻琴乃、弟の香妻陣一朗らと切磋琢磨した。

鹿児島・樟南高時代には「九州ジュニア」を3連覇した。プロ転向してからわずか2戦目、19歳で迎えた2012年の下部ツアーで早々に初勝利を挙げた。順風満帆なプロキャリアが始まったかに思われたが、その後はシード権獲得に奔走するシーズンが続いた。「優勝して調子に乗って、宮崎でひとり暮らしをしたんです。だらけた生活をしていた」。約2年、そんな生活が続き、目を覚まさせてくれたのは両親だった。4年前に実家に戻り、再びゴルフと真摯に向き合った。

恵まれた体格から放たれる300ydドライブを武器にしながら、要所でスコアを伸ばしきれない。父も「優しい子で、子供も大好きなんです。本当にプロスポーツ選手に向いているのか…」と評す。自身もそんな弱点に気づき、試行錯誤を繰り返してきた。「メンタルは結構弱い方だと思います。でも、“考え方の問題”だったんじゃないかと思うんです。僕は『頑張ろう』と思いすぎて体が動かなくなっていた。今回はキャディと話しながら、余裕を持って回ったのが良かったと思う」。穏やかな眼差しのまま、独自の方法で自信を積み重ねた結果が、この日の1勝につながった。

秋以降の出場試合が不透明な第2シードという立場から、一気にウィナーズサークルに入った。「オリンピックに出てみたい。頑張るしかないので一歩一歩やっていきたい。日本でステップアップしないとチャンスもない。メジャーに出ないと世界との差も分からない」。若くして苦労した逸材が、“スタートライン”に立った。(福岡県糸島市/桂川洋一)

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