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熱中症でスタート前に点滴 石川遼は1W練習なしで完走

◇国内男子◇RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント 2日目(24日)◇芥屋ゴルフ倶楽部(福岡)◇7151yd(パー72)

石川遼が体調不良をおして強行出場したラウンドを「73」でまとめた。2アンダーの32位タイから十分な練習ができないままスタートし、1イーグル3バーディ、4ボギー1ダブルボギー。通算1アンダーの30位タイで予選を通過した。

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クラブハウス前で登場を待ちわびたファンも、異変を感じたかもしれない。午後0時30分に予定されたティオフ時刻。石川が表に姿を見せたのはそのわずか20分前だった。血色の良くない顔でそのままドライビングレンジに直行。素振りの後、ウェッジで計4球、アイアンで5球を打っただけで、パッティング練習場に移った。

この日の朝、起床してからコースに向かう際に「ズキンズキンと背筋に痛みがあった」という。「ケアをしてもらっても、まったく治らなかった。おかしいなと思っていたところで、気持ち悪くなってきた」。クラブハウスで昼食をとっていた最中に症状は悪化し、救護室で医師の指示で点滴を受けた。前日に熱中症にかかっていた疑いがあるという。

スタートの1番では、練習場で手にすることすらなかった1Wを振りぬき、フェアウェイをとらえた。2打目をピンそば50㎝につけてバーディ発進。折り返しの9番(パー5)では下りの6mのイーグルパットを沈めたが、表情は浮かないまま。ほとんどのホールで日傘と氷のうを手にしながらプレーした。

後半インもガマンを続けたが、15番で第1打を左隣のホールに打ち込んでボギー。最終18番(パー5)はグリーンを狙ったラフからの2打目が短く、3打目のバンカーショットもグリーンをとらえられない。3パットも相まって痛いダブルボギーフィニッシュとなった。

途中棄権することも頭に入れてラウンドを完走した。「自分の判断です。できると思ったからやった。悪化したら、例えば手の震えや、めまいが症状に出てきたらやめようと思っていた」と笑顔なく言った。なんとか決勝ラウンド進出を果たしたが、ただ週末にプレーできればいいと納得する様子もない。

「やるのであれば優勝を目指すことしか考えていない。中途半端に『やれたから良かった』という気持ちはないです」。あくまでトップとの5打差を埋めるため、まずは体力の回復を最優先に考えるつもり。ホールアウト後、間もなくコースを後にした。(福岡県糸島市/桂川洋一)

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