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「ゴルフが楽しい」石川遼が「62」で2年ぶりVへ

◇国内男子◇ダンロップ・スリクソン福島オープン 3日目(23日)◇グランディ那須白河ゴルフクラブ (福島)◇6961yd(パー72)

石川遼が猛チャージで2シーズンぶりの優勝に前進した。4アンダー21位からスタートし、10バーディ、ボギーなしの「62」をマーク。通算14アンダーで山岡成稔と並ぶ首位タイに浮上し、2016年「RIZAP KBCオーガスタ」以来となるツアー通算15勝目に手をかけた。

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2戦連続の予選落ちを経て、約1カ月ぶりの決勝ラウンドを迎えた石川。出だし1番で6mを沈め、8番(パー3)までに3つスコアを伸ばし、バックナインで一気に加速した。「決めたい気持ちもあって思ったところに打って入ったのが大きかった」と10番で9mのロングパットを決めたのをきっかけに、14番まで鮮やかに5連続バーディ。猛然とタイトル争いに加わった。

16番ではグリーン右奥から12ydの距離をウェッジで転がしてチップイン。「落としどころまでは1m」という繊細なタッチが最高の結果につながり、右手を突き上げるガッツポーズで、東北のファンを興奮させた。最終18番(パー5)で5mのイーグルチャンスを逃しながら、10個目のバーディ。「ゾーンに入ったわけではない。恐れずにできた」とうなずいた。

風も穏やかだったこの日は「ピンがグリーンの低めのエリアに切ってあるホールが初日、2日目よりも多くなった」。ボールをキャリーさせる場所、スロープで転がすラインを見定め、ショットでムービングデーのセッティングに応えた。

5月初旬「関西オープン」の時点では「かなりキツイと思った」というショットの状態が戻り始めた感覚がある。「実感はある。1Wショットで、球がねじれない。ストレートボールを打てている」。予選2日間で散見された左方向に突き抜けていくミスショットは、その兆しのひとつだったという。「今年は100ydくらいの距離でも思ったところに落とせない」と悩んでいたものが、ようやく「(今は)150yd離れていても思ったところに落ちると思える。ゴルフをやっていて楽しい」と言えるまでになった。

ホールアウトした直後、香妻陣一朗が「60」をマークしてコースレコード更新は“一瞬”となったが、そんなことは何でもない。テレビ解説の青木功・日本ゴルフツアー機構会長は「やっと思うようなゴルフができたね。リズムがすごくいいし、(体に)力も入らず腕も振れている。久しぶりに安心して見られた」と声をかけた。26歳280日で迎えるあすの勝利は、中嶋常幸の記録(28歳333日)を抜き、最年少での15勝目となる。「優勝スコアは分からないけれど優勝したい。それも自分が良いと思うゴルフ、2位に4打、5打とつけて勝てるゴルフをしたい」。爆発的なスコアメークをもう一度誓った。(福島県西郷村/桂川洋一)

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