2018年 中日クラウンズ

悪夢の骨折から2カ月 上井邦裕が地元で3位浮上

2018/04/28 18:09
2カ月前にアクシデントに見舞われた上井邦裕。プレー中も左腕にはサポーターが

◇国内男子◇中日クラウンズ 3日目(28日)◇名古屋ゴルフクラブ 和合コース(愛知)◇6557yd(パー70)

順位が激しく上下したムービングデーに、愛知県在住の上井邦裕が急浮上した。3アンダーの21位タイから6バーディ、1ボギーの「65」。4mを沈めた出だし1番からの2連続バーディをきっかけに、通算8アンダーとして悲願のツアー初優勝のチャンスを呼び寄せた。

数日前まではこんなポジションは考えられなかった。今季、3年ぶりにシード選手に復帰した上井に悲劇が訪れたのは2カ月前。トレーニング中に転倒し、左腕の骨を折った。「前の日の練習で今までにないくらいボールが飛んでいて、いい感じだと思っていた」という矢先のケガだった。

全治3カ月と診断され、失望感は並大抵のものではなかった。クラブを握りなおしたのは今月に入ってから。リハビリめいたラウンドに臨む中、依然として日々、強さの違う痛みに悩まされている。左腕にはサポーターが巻かれ、特に地面を打ち込むアイアンショットには恐怖心もある。それでも「焦ってもなるようにしかならない。(故障で)いろいろ考えて、勉強になった部分もあった」と思考は前向き。「パットが入ればチャンスはある」と言えるまでには回復した。

3打差で迎える最終日。「自分に期待はしていない。気負わずに。ゴルフができるだけでありがたい」という。その無欲さは、難攻不落のコースを攻略する心構えとしては間違っていないはずだ。(愛知県東郷町/桂川洋一)

2018年 中日クラウンズ