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50歳・谷口徹のレギュラーツアーへのこだわり

◇国内男子◇中日クラウンズ 3日目(28日)◇名古屋ゴルフクラブ 和合コース(愛知)◇6557yd(パー70)

50歳という年齢はゴルファーにとって大きな節目の意味を持つ。今年2月、知命の大台に乗った谷口徹はシニアツアーに参戦する権利を得た。そうはいっても、ベテランは2012年までに通算19勝を挙げたレギュラーツアーのシードを保持しており、いまだ“踏ん切り”がつかないでいる。

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春先には米国から5月「キッチンエイド全米シニアプロ選手権」(ミシガン州ハーバーショアGC)への出場案内が届いた。2013年に井戸木鴻樹が優勝したシニアメジャー大会だが、「光栄なことなんですけど、海外すらシニアのことは頭に入っていなかった」という。同じ週には日本でのレギュラーツアー「ミズノオープン at ザ・ロイヤルGC」(茨城県/ザ・ロイヤルゴルフクラブ)がある。同大会にかかる7月の「全英オープン」の出場権がなにせ魅力的で、なかなか決断に時間を要している。

2012年に「日本プロ」優勝で得た5年シードは昨年末で切れた。今季は前年の賞金シード(32位)の資格で出場しており、来季の保証はない。「長期シードがなくなって、初めて“ペーペー”の気持ちがわかってきた」と笑うが、気持ちは冗談ではない。「ケガもしちゃいけない。食生活なんかも気をつかわないといけない。大変だなあと思う」。それでもやっぱりレギュラーツアーで戦いたい。シニア入りの決断を躊躇させるのは、「あんまり(シニアに)行くとレギュラーのシードも危なくなる。優勝もしたい」という主戦場への熱い想いだ。

近年は熟練の技を盗もうと、門をたたいてくる若い選手を受け入れてきた。毒舌を駆使して指導する一方で、彼らにみなぎるパワーに刺激も受けてきた。

今週は初日の夜に28歳の小平智、23歳の香妻陣一朗と連れ立って夕食をとった。「RBCヘリテージ」で米ツアー優勝者となった小平に、何年もショートゲームの重要性を説いてきたのが谷口だった。快挙の様子は「YouTubeでハイライトを観た」という。“門下生”は1試合で約1億3000万円を手にしたが、食事代は前と変わらず先輩持ちだ。「(米国で)これから遠征費、かかるやろ。今週もプレーオフになったら負けたるわ」と笑って。

小平への祝福は「おめでとう」と声をかけただけだという。「そのくらいで褒めて、伸びなくなると困る。甘やかさないようにしないと。PGAツアーのスタートラインに立てたんだから」。衰え知らずのベテランがここに残せるものは、まだたくさんある。(愛知県東郷町/桂川洋一)

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