2018年 中日クラウンズ

「周りの変化にビックリ」小平智が感じた米ツアー優勝の重み

2018/04/24 16:11
小平智は開幕2日前に岩田寛と練習ラウンドを行った

◇国内男子◇中日クラウンズ 事前情報(24日)◇名古屋ゴルフクラブ 和合コース(愛知)◇6557yd(パー70)

「ジャンボ(尾崎)さんが言ってたんです。『トロフィを掲げているときが優勝したことを一番感じている瞬間で、それからは優勝の余韻はなくなる』って」。2週前、「RBCヘリテージ」で米ツアー初優勝を遂げた小平智も、似たような感情を持ったという。「(ウィニング)パットを決めて、クラブハウスに帰るときくらいが一番『優勝したんだなあ…』と思った。でもその後は今後どうしようか…と考えていた」。日本人史上5人目のチャンピオンはつとめて冷静。しかし、周囲はしばらくそうはいかなかった。

優勝した直後から、スマートフォンにメッセージが入るのは恒例だ。今回は日本で勝ったとき(通算6勝)より数も多かったが、「内容が違いましたね」という。「『ホントにすごいこと、あり得ないことやったね』みたいな…。その辺も自分とのギャップがありました」。一勝の重みの違いは、祝福の文面で感じ取った。

日本に帰国後、初出場となる国内ツアー「中日クラウンズ」開幕2日前。岩田寛と一緒の練習ラウンドには、ファンとメディア関係者合わせて数十人がついて回った。「僕に変化はないんですけど、周りの変化がありすぎてビックリ。あんまり注目されたことがなかったから不思議な感じ。プレー後に集まった報道陣を見渡し、「“コレ”(開幕2日前のインタビュー)もなかったじゃないですか」と笑った。

ラウンド中にはテレビ局の密着も

喧噪の中で迎える凱旋試合は、にぎわうことが必至だ。予選ラウンドは前年大会王者の宮里優作、選手会長で2010年大会王者の石川遼と回る。

次週のツアー外イベント「ザ・レジェンド・チャリティプロアマ」(千葉・麻倉ゴルフ倶楽部)に出場した後、米ツアーには2週後の「ザ・プレーヤーズ選手権」(フロリダ州TPCソーグラス)で復帰し連戦に臨む予定。「日本で育ったので、日本の試合にも時間があれば出たいが、“どっちつかず”はあまり良くない。チャンスをつかんだ以上、アメリカに専念したい」。日本で次にプレーする機会の見通しは立っていないだけに、ギャラリーも集中することが予想される。

「緊張するからあまり注目してほしくないですけど…こうなったからには頑張ります」。周りの見る目が変わっても、淡々とプレーし、世界に通じる強さを見せたい。(愛知県東郷町/桂川洋一)

2018年 中日クラウンズ