賞金王とマスターズ出場 価値あるのはどっち?
◇国内男子メジャー◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 事前情報(29日)◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)
賞金王が決まる国内ツアー最終戦。賞金ランキングトップの小平智は、かねて「賞金王よりマスターズ(が大事)」と繰り返してきたが、「ここまで来て、この位置なら獲りたいなという欲が少し出てきた」と、圧倒的有利な状況で迎える一戦を前に色気を見せる。
それでも「第一目標はマスターズなので、上で争いたい気持ちが強い」と、現在53位の世界ランクを、今週と2週間後に出場予定のアジアンツアー最終戦「インドネシアマスターズ」で50位以内に持っていくことを念頭に置いている。
賞金ランク2位の宮里優作は「天気は良さそうなので、3日間競技にはならないですね(笑)」と、獲得賞金が75%になることを懸念したが、もしそうなっても条件は変わらず、優勝すれば逆転賞金王が可能。とはいえ「僕が良くても、小平君がもっと良ければ仕方ない。このコースにいかに勝てるかというところが、優勝への道だと思う」と、自身のプレーに集中する。
同ランク4位で、逆転賞金王には優勝かつ小平が5位タイ以下という条件のある池田勇太は「最高の形で終わる。それしか俺にはない」と、ほかの選手の動向を気にする様子はない。
小平は「(逆転されて賞金ランク)2位になっても、マスターズに出られるならその方がすごくないですか?」と言う。実際、日本ツアーの賞金王になることと、マスターズ出場は連動していない。
JGTOの青木功会長は「その国を代表する選手という意味で、賞金王というカテゴリがあってもいいのではないかと思う。来年、オーガスタに行ったら、ぜひそういうことを掛け合ってみたい」と語る。実現度は不透明だが、賞金王の価値を高めることはツアーの価値を高めることと同義だろう。(東京都稲城市/今岡涼太)