2017年 太平洋マスターズ

古閑美保「圧巻でした」 初めて見届けた夫・小平智の優勝に感激

2017/11/12 17:57
待ちに待った夫婦での優勝記念写真。小平智は夫人の古閑美保にカップを捧げた

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 最終日(12日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7246yd(パー72)

小平智が首位との3ストローク差をひっくり返し、今季2勝目を飾った。最終日は今年3月に入籍した夫人の古閑美保が来場。小平がシーズン初勝利を挙げた10月「トップ杯東海クラシック」は不在だったため、愛妻となってから初めて夫の優勝をその目で見届けた。

古閑は開幕前日8日(水)のプロアマ戦に出場した後、会場を離れたが、11日(土)の午後に御殿場に戻った。この日は18ホールに帯同し、サポートチームと一緒に応援。「圧巻でした。きょうのゴルフだけ見ていると」と喜んだ。

2011年の現役引退後、テレビ解説でもおなじみとなった古閑。「7番のティショットからスイッチが入ったように思いました。(チャンスに)付いたときに『これで大丈夫』と思えました。ショットがあまり良くなくて、苦しんだ6番までに2つスコアを伸ばせたことが成長。今までだったら落としていたのでは」と夫の逆転劇を振り返った。

普段は「ゴルフのことを話すとケンカになる」というが、前日のホールアウト後の練習では、小平へバンカーショットについて助言した。「このコースのバンカーは砂が軟らかくて、ヘッドが“刺さって”しまう」という悩みに対し、バウンス角が少ないSWを「もっとひらいて使えば」と意見を言った。小平はこの最終日、17番(パー3)でバンカーショットをピンそば50cmに寄せてパーセーブ。「美保に教わったのがうまくいった」と話した。

優勝を決め、古閑美保は小平智に熱烈なハグ

古閑は笑う。「親の気持ちが今になって分かる。昔は親に『やっているのは私なんだから!』なんて言っていたけれど、(見る側は)祈ることしかできないですもんね」。今ではロープサイドで1ショットごとに大きな声援を惜しみなく送る。

「彼は応援を力に変えられる人。シャイで照れ屋ですけど、周りが持ち上げるとどんどんいくタイプ」。愛すべき夫が、その声に支えられているのも事実。「大きな声で言ってもらえるとやっぱりうれしい。(ボールの行方が)見えないときも、気持ち的にも助かる」と小平は言う。表彰式でも「美保の前で優勝できて本当にうれしい」と喜んだ。

古閑は2008年にマネークイーンになった。小平はこの日、年間獲得賞金額を1億5455万4813円に積み上げ、愛妻が当時稼いだ1億2085万4137円を抜いた。3試合を残して賞金ランクトップに再浮上。史上初の「賞金(女)王夫妻」が誕生すれば、それは二人三脚でつかんだものになる。(静岡県御殿場市/桂川洋一)

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