通算7勝の名手の“おい” アマチュア今野大喜が好発進
◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 初日(12日)◇岐阜関カントリー倶楽部 東コース(岐阜)◇7180yd(パー70)
トッププロのDNAを持つ20歳が好発進を決めた。地元岐阜県出身のアマチュア、今野大喜(日大3年)が4バーディ、1ボギーの「67」をマークし、首位に3打差の3アンダー5位タイで滑り出した。
今野は出だしの10番で残り197ydの第2打をピンそば3mにつけてバーディスタート。平均スコア「4.658」だった初日の最難関ホールを乗り越えたことで勢いが出た。 12番では8Iでチャンスを作り、2つ目を決めて上位へ進出。中学生だった2009年、初めて出場したジュニアの試合が行われたのが、ここ岐阜関だった。当時は「日本女子プロ選手権」が開催された時期と重なり、「ラフが長くて『なんだこのコースは…』と思いました。100くらい打ったと思う」という思い出の場所。以後、慣れ親しんだコースで地の利も生かした。
ツアー通算7勝の今野康晴を叔父(おじ)に持つ。今ではコーチというべき存在だ。今大会が近づくや「めちゃくちゃ」連絡を取ってきたという。スマートフォンでメッセージをやり取りし、撮影したスイング動画をチェックしてもらう日々。夏場の好調を落としている最近は“ダメ出し”の連続だという。
対面して直接指導を受けると「1、2時間はフルショットをさせてもらえない」。ハーフスイング、片手打ち、バンカーからの連続ショット…。「ほめられた記憶はあまりない」。ただ、その基礎的な練習を熱心に勧められることで実感もする。「それが結果的に40歳過ぎまでシード選手としてやることにつながっているんだろうと思います」
「日本オープン」で叔父は何度もタイトルを争い、惜敗した。小田龍一にプレーオフの末に敗れて2位に終わった2009年大会。大喜はテレビにかじりついて応援したのを覚えている。そのプレーオフで、三つどもえの争いをした石川遼とは、今大会の開幕前日に練習ラウンドを行った。「テレビで観て、憧れていた方と一緒に回らせてもらえて…。最初は緊張したんですけど、すごく気さくに話しかけてもらって、良い時間を過ごさせていただいた」と、興奮した様子も見せる。
現段階では大学卒業後にプロの道に進む予定。その前に成し遂げたいこともある。前年大会では予選を通過しながらローアマチュアのタイトルを6打差で比嘉一貴に譲り、今年7月の「日本アマチュア選手権」では、同じ釜の飯を食う大澤和也(日大3年)との争いに敗れて2位に終わった。「(今大会で)ローアマチュアを獲りたい」。目標を達成すれば、ついにお褒めの言葉をもらえるかも?(岐阜県関市/桂川洋一)