激しいスコアの波 谷原秀人スイング改良に見えた気概
◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 最終日(17日)◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース (北海道)◇7063 yd(パー72)
今季国内ツアー5試合目の出場となった谷原秀人は5バーディ、2ボギーの「69」でプレーし、通算10アンダーの5位タイ。獲得額1636万5710円に達した今季の賞金ランキングは41位から37位に浮上し、シーズンを終えた75位までに付与される来季シードを確実なものにした。
この4日間は浮き沈みの激しさが目立った。初日「68」で3位タイ発進を決めたかと思えば、2日目は「76」を叩いて55位に大きく後退。カットライン上で進んだ決勝ラウンドの3日目は7バーディ「65」の猛チャージで、11位タイへの再浮上を遂げた。
かねて進歩への強い気概を持ち、「スイングは毎回、試していることがある」と頻繁にクラブを含めたマイナーチェンジを行ってきた。来季以降の海外ツアー本格参戦が現実味を帯びているだけに、スイング改良へのこだわりはいっそう強いものになっている。今年は積極的に海を渡り、11試合に出場した欧州ツアーのポイントランキングは16位と好位置。上位で来季シードを取得できる見込みだ。
今週3日目の好スコアにも、「スコアとスイングは別物」と言い放ち、「(スイング固めは)まったく出来上がっていない。不安?全部です。全部変えているので」と、硬い表情を崩すことはなかった。
現時点で次戦の国内ツアー出場は未定としており、今後は再び欧州ツアーに身を投じる。高額賞金に設定された「ロレックスシリーズ」は4試合を残しており、谷原はランク60位までが進出できる11月中旬のツアー最終戦「DPワールド ツアー選手権 ドバイ」への出場も濃厚。日本人選手では初となる年間王者の可能性も秘めている。
「日本だけならスイングを変えなくていいかもしれないけど、向こう(欧州)でやるとしたら少しでも距離が欲しい。すべての面で上手くならないと置いていかれる。今だけではなく、先のことを考えないとダメ。もっとうまくなりたいです」。日によって波が激しいプレー内容は、38歳の海外進出にかける決意の表れでもある。(北海道北広島市/塚田達也)