2016年 HEIWA・PGM選手権

賞金王争いの狭間で…稲森佑貴 初勝利への道は「鬼ごっこみたい」

2016/11/05 17:01
アプローチでピンチを凌いで首位タイで最終日を迎える稲森佑貴

◇国内男子◇HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 3日目(5日)◇総武カントリークラブ 総武コース (千葉)◇7214yd(パー70)

首位タイから出た稲森佑貴が4バーディ、ボギーなしの「66」をマークして通算12アンダーとし、賞金ランク2位の谷原秀人と最終日を前にトップの座を分け合った。谷原と池田勇太の賞金王争いの直接対決に割って入った22歳が、初優勝のチャンスをつかんだ。

賞金ランク首位の池田、2位の谷原と最終組でティオフした稲森は2番で3mを沈めてバーディを先行。第2打地点からピンフラッグしか臨めない砲台グリーンが待ち受ける10番では「うまいことフェードで打てた」と残り237ydの第2打を3Wピン奥1.5mに運び、この日2つ目のバーディとした。

さらに2つのバーディを奪って迎えた18番は、ショートゲームで耐えた。残り180ydの第2打を「フォローの風で、6Iで抑え目に打ってフケ球が出た」とグリーン奥のラフにこぼしたが、逆目の難しいライからアプローチを2mに寄せ、パーを拾った。

コースを果敢に攻めて一時は単独首位を走った稲森は、終盤に谷原に容赦なく追いつかれたものの「さすがだと思った。正直、あんなプレーを見てワクワクが止まらなかった」と接戦を楽しめる余裕さえあった。10m超えのロングパットを次々と沈める谷原を見て、「打ったあとのラインを見たり、心境を聞いてみたり」と、技を盗むことも忘れていない。

「賞金王争いの渦中で(僕が)勝つってことをやってみたい。このコースをノーボギーでラウンドできたことは自信になったし、僕は飛ぶ方ではないので長い番手にもお世話になる。そこだけは自分を見失わないようにプレーしたい」。

ラウンド中、たびたびリーダーボードをチェックした。「ボードに名前が載っていると、素直に嬉しい。僕は追う方より、追われる方が好き。なんか鬼ごっこみたいで・・・」。最終日も同じメンバーで最終組を作る。歴戦の先輩プロふたりは怖い鬼に違いないが、屈託のない笑顔と無邪気さが、最終日の武器になる?(千葉県印西市/糸井順子)

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