プロ19年目の初優勝は?山下和宏が11度目の「最終日最終組」
◇国内男子◇ブリヂストンオープン3日目(22日)◇袖ヶ浦CC 袖ヶ浦C(千葉県)◇7119yd(パー71)
ツアー19年目の42歳が、ムービングデーに悲願の初優勝へ望みをつないだ。23位から出た山下和宏が8バーディ「63」でプレーし、通算11アンダーの3位タイに浮上。「最近はゴルフの調子が良くなってきてはいたが、これだけ伸ばせるとは思っていなかった」と自身も驚きのビッグスコアで首位と2打差に迫り、実に11度目の最終日最終組に飛び込んだ。
長く初優勝を待たれ続けて、ベテランの域に入った。勝てない原因を1つに特定することは難しいが、「症状が出始めてから6、7年くらい」というアプローチへの不安を抱えてきたのは事実だ。これまでグリーン周りのアプローチでユーティリティを手にする場面がしばしば見られ、リカバリー率も下位に位置することが多かった。
そんな視界がパッと開けたのは、昨年9月「日本オープン」の会場で練習していたときのこと。ウェッジで、たまたまディボット跡にあったボールを「パターのストロークみたいに転がすみたいな打ち方をした」ことからヒントをつかんだ。以降はウェッジで「“転がし”みたいに打つ」アプローチをアレンジしながら練習を重ね、違和感を少しずつ解消。今では「SWでも入りそう。ユーティリティでの転がしは、まったくしていません」と笑顔を作った。
この日も、ウェッジから3ホールで“寄せワン”のパーを記録した。最難関の後半14番では、1打目を右の林に入れながらも、花道からSWでピン奥2mにつけてボギーを回避。「ノーボギーで回りたかったし、あれが自分の中のハイライト」と胸を張った。
惜敗のたびに“次こそ”と口にし続けながら、遠い初タイトル。だが、今年はショートゲームへの不安がなくなりつつある。「今は心が晴れてきている感じで、今までの“どうしよう”というのはない。ショットも良いし、自信を持ってプレーできると思います」。42歳352日目での初優勝となれば、ツアー史上9番目の年長記録。悔しさばかりを残してきた最終日の景色は変わるか。(千葉市緑区/塚田達也)