2016年 アジアパシフィック ダイヤモンドカップ

3連続予選落ちも…23歳シンデレラボーイは1億円をどう使う?

2016/09/23 18:29
ツアー2勝目を狙う時松隆光。ナイキ社のクラブはシーズン終了までは使用することになりそう

◇国内男子◇アジアパシフィック ダイヤモンドカップ 2日目(23日)◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪府)◇7320yd(パー70)

1アンダーの23位タイから出た時松隆光が「66」とスコアを伸ばし、通算5アンダーの5位タイに浮上した。7月に“3勝”をマークして以降、ツアーでは3試合連続で予選落ち。首位に2打差と好位置で久々の決勝ラウンドに進出した。

“シンデレラボーイ”は人知れず苦しんでいた。7月に下部チャレンジトーナメント「ジャパンクリエイトチャレンジin 福岡雷山」でプロ初優勝を飾り、「スリクソン・ダンロップ福島オープン」でレギュラーツアー初勝利を挙げた。さらに滑り込みで出場した翌週のツアー外競技「ネスレインビテーショナル 日本プロゴルフマッチプレー選手権 レクサス杯」も制覇し、1億円の優勝賞金を獲得。ところがその後、週末を試合会場で迎えることはなかった。

そのため、この日は「ショットの調子はあやふやなんですけど、パターがすごくいい。3試合連続で予選落ちして、実は今朝もピリピリしていました」とひと安心。優勝で期待の若手へと立場が変わってからは、予選ラウンドで有名選手と同じ組に入ることが増えた。「芥屋(RIZAP KBCオーガスタ)では石川遼さんと一緒に回って。ANAオープンではブレンダン・ジョーンズと。ボールが僕とは違ってよく飛ぶので…。それから、ちょっと力みも出ていた」という。

「ネスレ―」の賞金は、税が源泉徴収された後の額、数千万円が既に口座に入った。「調子に乗らないように気をつけます」と警戒中。マイカーは同大会優勝で獲得したレクサス車が、もうじき手に入る。「車もいただけた。僕は物欲がないので…。でも、“騒がせて”いただきました。北海道でも」。大酒飲みでは決してないが、大金の使い道はいまのところ仲間内で宴会する程度。23歳になったばかりの若者は依然として実直だ。(大阪府茨木市/桂川洋一)

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