「1打1打が優勝につながる財産」石川遼、数字が語る驚きの1日
◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 初日(15日)◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース (北海道)◇7063 yd(パー72)
前年覇者で大会ホストを務める石川遼が9バーディ、ボギーなしの「63」でプレーして9アンダーとし、頭一つ抜け出して単独首位の好スタートを切った。
片岡大育、竹谷佳孝と午後0時10分に10番からティオフした。午前組がスコアを伸ばす状況で「午後はグリーンも荒れて、やりづらさもあった」としながら「スコアは自分のイメージに近い感じで伸ばせた」と、充実の表情を浮かべた。
12番(パー5)で2オンに成功し、2パットでバーディを先行させた。14番ではティショットを右サイドの木に当てて距離をロスしながらも、右ラフからの第2打をピン奥2m強につけるショットでパーセーブした。
前日のプロアマ戦では、チーム戦ながら同伴プレーヤーとともに「54」をたたき出した。「プロアマ戦と試合は別モノ」と位置づけてはいたが、「手応えとしては良い方向。よりつかんできている」と、この日はチャンスを確実に沈め、ボギーは一つもたたかなかった。「ボギーなしで伸ばしていく最善のルートには、集中力を使う」。感覚を研ぎ澄ます中、「精神力、体力をよく使ったときにはお腹が空く」と、ラウンド中におにぎりをほおばる姿も見られた。
18ホールのうちフェアウェイキープは6ホールで、42.86%(119人中74位)にすぎない。だがパーオン率は100%という驚異的な数字が、この日のプレーを物語る。単独首位で初日を終えたのは、今回で4度目。うち、2009年「サン・クロレラ クラシック」で優勝、10年「フジサンケイクラシック」で大会連覇を成し遂げている。
「スタートとしては良い。ショットの質をキープしつつ、自分のやるべきことをできれば」「1打1打が優勝につながる財産」――石川の勢いはどこまで続くのか。(北海道北広島市/糸井順子)