気は優しくて力持ち 小田龍一が苦手なマッチプレーで大勝中
2016/07/30 19:02
「絶対的に不得意」と断言するマッチプレーで、小田龍一の勝ちっぷりが凄まじい。国内男子のツアー外競技「ネスレマッチプレーレクサス杯」2日目。2回戦の永野竜太郎を6&5(5ホール残して6アップ)、3回戦の深堀圭一郎も8&7(7ホール残して8アップ)で破り、合わせて24ホールで決着をつける圧勝の内容でベスト4に進出した。
前日の1回戦も宮本勝昌に4ホールを残して勝利したが、実はこれが同大会で初めての白星だった。“気は優しくて力持ち”を地で行くタイプ。過去2年はいずれも1回戦で敗退しており、「マッチプレーはコースではなくて、人と人との戦い。気持ち的に合っていないんです」と、うつむき加減で180センチの巨漢をしぼませる。もともと争いごとが苦手なタイプなだけに、相手と直接対峙するマッチプレーへの苦手意識は相当なものらしい。
これまで敗戦がウソのように勝ち進んでいる今週について、「先にバーディパットを入れられたり、流れが本当にいい」という。3回戦では、ピンチの場面からビッグプレーも飛び出した。2打目を池に入れた2番(パー5)、1打のペナルティを払って打ったラフから50ydの4打目がカップイン。ダウン覚悟のホールでアップを奪い、その後の優勢へとつなげた。
今大会を主催するネスレ日本には、人気商品のチョコ菓子『キットカット』のロゴが入ったキャディバッグの提供を、2年前から受けている恩義もある。「1回戦敗退が続いていたので、あしたは(優勝して)キャディバッグを持ち上げたいですね。少しでも恩返しができるように頑張りたいです」。これまで自分にブレーキをかけてきた弱気の虫を、今年こそ払い飛ばしてみせる。(北海道恵庭市/塚田達也)