「48歳に頼るな」…2打差3位の谷口徹の憂い
茨城県の宍戸ヒルズカントリークラブで行われている「日本ツアー選手権 森ビル杯」2日目。イーブンパーから出たツアー通算19勝の谷口徹が「71」(パー71)で回り、首位のJ.B.パク(韓国)に2打差の通算1アンダーの3位タイにつけた。
硬く締まったグリーンに、刻一刻と向きを変える風。最高難度に仕上がった会場で、今季メジャー初戦の予選カットラインは通算8オーバーになった。同大会では2010年の通算9オーバーに次ぐ2番目のハイスコア。2日目を終えてアンダーパーはわずか4人だけという状況に、谷口は疲労感をあらわにホールアウトした。
「若い子に比べたら、疲れからの回復度合いが違う。みんなに若さを5歳ずつ分けてくれって言っている。そうしたら20歳くらいの体でやれるのに…。彼らは新品のゴム。僕は劣化したゴムくらい違う」
それでも、この日もラウンドのおおよそは思い描いたとおりの展開になった。初日とは逆の南からの風。中盤以降の多くのパー4でアゲンストの風が吹くと踏み、序盤に“貯金”を作ることが必要と見立てていた。
出だし1番から2連続バーディ。4番で3つ目を決めた。風がいっそう強く吹いた8番、10番をボギーとし、13番(パー3)ではアイアンでのティショットがシャンクしてトラブルを招いたが、5mのパットをねじ込んでボギーに抑えた。
「スコアを伸ばしていける状況ではない。上にいるほうが余裕で持ってやれるはず」と欲は尽きないが「先の読めない展開。ステディにやっていく」という週末の準備は整った。ここまでの自身の出来にも満足感がある。
一方で、戦況を憂う気持ちもある。経験がものを言う難セッティングとはいえ、リーダーボードの上位にいる日本人選手の名前は、数年前から代わり映えしないという見方ができる。「韓国の若い選手は…スイングもいいし上手い。(日本人では)今平周吾なんかもいるけれど…。相対的に見ると、韓国の選手にはガッツがある」
若手選手に負けたくない想いを日ごろから口にしているが、「48歳に頼るな」というのも本心だ。
シニア入りとなる50歳までは「あと1年とハーフ(半年)くらい」だが、「レギュラーでできるだけ長くやりたい。いずれダメなときが来たら仕方ないと思える」という。向上心の尽きないベテランを穏やかに“卒業”させることができる時はいつ来るだろうか。(茨城県笠間市/桂川洋一)