1差発進の谷口徹 マキロイが「アクセル全開」なら「僕は・・・」
「久しぶりやなあ~、こんなとこ呼んでもらえるの」と、テレビのインタビューエリアに嬉々として入った谷口徹。強風との戦いになった「日本ツアー選手権 森ビル杯」初日、48歳は4バーディ、3ボギー「70」(パー71)でまとめ、1アンダーの5位タイは首位と1打差の好発進を決めた。
ボギーを先行させた直後の4番、3.5mのチャンスを活かしたパットは1つのバーディ以上の価値があった。前週の試合から数えて「34ホールぶりのバーディやった。あれでバーディを獲る感覚を思い出した」。続く5番で7mを沈め、6番(パー5)も3オン1パットとして3連続バーディを決めた。
前日のひらめきがパットの復調をもたらした。今季はアドレス時にスタンスを肩幅程度にひろげてプレーしていたが、以前のように狭めてプロアマ戦をプレーし、スムーズにストロークできることを改めて実感した。「パッティングが悪いことには、入らないことにはスコアは縮まらない」。最高の見せ場は終盤17番。ピンまで残り210yd超の2打目を5Wでグリーンを捕らえ、3.5mのパットを流し込んだ。18番をボギーフィニッシュとしたものの、最難関ホールでのバーディが自然と笑顔でホールアウトさせた。
昨年目覚めた筋力トレーニングはいまも継続中。年齢を重ねても、宍戸の7384ydの長さに怯むそぶりはない。「“生きてるな”と思う。去年よりは全体的な飛距離も違う」
前週月曜日には、1日36ホールの長丁場を経て、海外メジャー第2戦「全米オープン」の出場権を獲得した。再びメジャーに挑戦するにあたり、気になるトッププレーヤーは世界ランキング3位のロリー・マキロイ(北アイルランド)だ。
「まだまだ自分が一生懸命やっても彼の2割くらい(のトレーニング)かなあ。テレビを見ていても、(マキロイは)群を抜いて飛んでいる。なんであんなに気持ちよく振れるんか。特にロリーは身長がないから余計にすごいと思う。テークバックからクラブを上げた瞬間から決まっている。切り替えしからフィニッシュまでが“一直線”みたい」とメジャー4勝のスターの肉体、そして力強いスイングには48歳も見とれてしまうほど。
「フィニッシュまでがアクセル全開でしょう…ぼくなんかのアクセルは徐行みたいなもん」。20歳以上、年の離れた若者に張り合う鼻息の荒さは、いまも強さの源だ。(茨城県笠間市/桂川洋一)