松山英樹、大声援に「緊張した」 観戦チケットは2倍の売れ行き
国内男子ツアー「ダンロップ・スリクソン福島オープン」が23日(木)、福島県のグランディ那須白河GCで開幕。今季国内初戦となる松山英樹は、降雨による約22分間の中断を挟み6バーディ、4ボギー「70」でプレーし、首位と4打差の2アンダー34位で初日を終えた。
大学4年間を過ごした縁深い東北でのツアー初参戦。待ちわびていたのは、もちろん松山だけではなかった。前年比1194人増となる2866人のギャラリーが来場し、前売り券の販売も前年から倍増を記録。大会関係者によると「出場が発表になった6月29日から跳ね上がった」という。
ギャラリーが人垣を作り、異様なほどの熱気に包まれた午後0時10分の10番ティ。「久しぶりなので緊張した。米ツアーとは違うところだった」という大歓声が松山を迎えた。およそ8カ月ぶりの日本ツアー参戦となり、海外のコースに馴染んだ感覚との微妙なズレも、松山のショットの距離感を狂わせた。「洋芝と野芝の違いもあるし、先週はセントアンドリュースにいたので(地面の)硬さの違いもあった」。
11番で右ラフからの2打目がグリーンを外れ、ボギー先行。続く12番のバーディを挟み、13番(パー5)、15番と落として一時は2オーバーまで後退した。その後も「距離感は最後まで合わなかった」と首をひねりながらも、ボールは確実にピンとの距離を狭めていく。16番、18番(パー5)のバーディでイーブンに戻すと、1アンダーまで伸ばして迎えた最終9番。110ydの2打目から3mにつけたチャンスを決め、「最後のバーディはすごく良かった」と力強いガッツポーズ。最終ホールで大歓声を浴びる千両役者ぶりを見せつけた。
「ガマンしてアンダーに戻せたのは良かったけど、満足はいっていない」と、距離感に苦しんだことにも「力不足」と自らに厳しい言葉を投げかけた。月曜日フィニッシュとなった「全英オープン」からの帰国直後とあり、「暑さと湿気もあって、疲労はピーク」という体調面の問題も、確かにある。
「この試合に出る時点で、期待はされると思っていた。しんどい中でも割り切ってできている」。2日目も大ギャラリーの声援の後押しを受け、ただ懸命にクラブを振り続ける。(福島県西郷村/塚田達也)