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1番ホールで勝負あった?リャンが日本ツアー初制覇

ついにリャン・ウェンチョン(中国)が重い扉をこじ開けた。国内男子メジャー「日本ツアー選手権森ビル杯」最終日、通算13アンダーで2位に5打差をつけてスタートしたリャンは、3バーディ2ボギーの「71」で回って通算14アンダー。5打差を保って完全優勝を成し遂げた。

結果だけを見れば、悠然と逃げ切ったように思われるかもしれない。だが、内実は違った。「正直、昨日終わってから、夜は眠ることが出来なかった。今日は難しいチャレンジになると思って、心配もたくさんあった」とホールアウト後に打ち明けた。

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1番ホール、1Wでの第1打はいきなり左に飛び出し「ファー!!」の叫び声。だが、左足上がりのラフからの2打目を、9Iでカップをかすめて1mにぴたりとつけてバーディをもぎ取った。

続く2番(パー5)も1Wが低く左に飛び出して、200ydも飛ばずにラフで止まった。2打目も左ラフ、3打目はグリーン右ラフ。だが、アプローチを1mに寄せてパーセーブした。「1番、2番でボギーを打つと心理的に崩れてしまう。1番でバーディを獲れたのが大きかった」。

その後も12番、14番などドライバーショットを曲げ続けたが、2打目以降のリカバリーでパーを拾い、またチャンスとみるや精度の高いショートゲームでバーディをもぎ取っていく。2位に4打差をつけて迎えた最終ホール、パーオンに成功してファーストパットを1m弱に寄せたが「最後まで入らなかったときのことを考えていた。絶対に油断せずにプレーした」と、気持ちを切らさなかった。

日本ツアー本格参戦12年目にして、ついに掴んだ初優勝。だが、ウィニングパットを沈めた後も、大きなガッツポーズや涙はなかった。「17番でやっと勝てると思って、少しリラックスできていた。最後のパットを打つときには気持ちの整理はつけられていた」。嬉しさはジワジワと噛みしめていた。

優勝会見では「いつも、“いつ優勝できるのか?”と聞かれていたけど、“今、この場で優勝しました”と言います」と笑ったリャン。この優勝で、国内ツアーの5年シードと「全英オープン」「WGCブリヂストンインビテーショナル」の出場権を獲得。さらに、国内ツアーの賞金ランキングでトップへ浮上し、世界ランキングも175位前後(前週までは254位)まで上昇する。

「5年シードにはとても感謝している。2003年から毎年、年間30試合くらいを(日本ツアーなどで)シードを取るために戦ってきた。ヨーロッパやアジアの掛け持ちはとても大変。これで時間に余裕ができるし、大きな選択ができるようになる」。

結婚10年目となる奥様との間には10歳(男)、6歳(女)、3歳(女)の子宝に恵まれた。そして今、奥様のお腹には妊娠5カ月の新しい命が宿っている。複数年シードで、家族との時間も増やすことが可能になった。

07年のアジアンツアー、10年のワンアジアに続く、3ツアー目の賞金王獲得も視野に入ってきた。「それは、とても誘惑のある話ですね(笑)」。まだ前半戦だが、今シーズンの残りで、壁を破ったリャンの快進撃が見られるだろうか?(茨城県笠間市/今岡涼太)

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2015年 日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills

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