ホ・インヘ 感覚頼りに新記録どころか「30アンダー目指す」
30アンダー頑張ります-。「TOSHIN GOLF TOURMENT IN Central」の3日目、首位から出た韓国のホ・インヘが6バーディノーボギーでラウンドし、通算23アンダーまでスコアを伸ばして、日本ツアー初優勝に王手を掛けた。23アンダーは、54ホール終了時点の日本の最多アンダーパータイ。72ホールでの最多記録26アンダーも完全に視野に入り、「30アンダーが出たら、優勝できなくてもうれしい」と不敵な笑みを浮かべた。
日本ツアーには2009年から参戦していて、今年9月の「フジサンケイクラシック」の2位がこれまでの最高順位となっている。
この日は前半4つ、後半2つのバーディを重ね、倉本昌弘が持つ3日間の通算アンダー記録に27年ぶりに並んだ。だが「惜しいところもあった。11番から15番までずっとパーが続いて、16番で久しぶりのバーディ。17番、18番は絶対バーディを獲るぞと思ったが、(前が)詰まっていてタイミングが合わなかった」と悔しがる余裕も見せた。
感覚的にプレーをすることで知られる。ピン位置のシートこそ持参するものの、日本でも韓国でもヤーデージブックを持たずにラウンドする。「自分の感覚がいいので。自分で全部やる」と、キャディに相談することもほとんどないという。打った後にクラブ選択を間違えたと感じたことはないのか、という質問にも「ない。ヒットのミスはあるけど」と言い切った。
攻撃的なゴルフとも評されるが「自分では感じない。1Wで打つのは左右にOBがないホールだけ」と返した。
72ホールトータルでの最多アンダーパーは、1995年にブラント・ジョーブ、96年に尾崎将司が出した26アンダーで、記録更新は射程圏内。最終日を「66」以下で回れば、同じく尾崎将司が持つ72ホールの最少ストローク記録「260」を塗り替える。
最多アンダーパーの世界記録は「32」と差し向けられると、「遠いなあ。でも今日S.H(.キム=キム・スンヒョグ)が11アンダーを出したから、私もいけると思う」と、またしても笑った。
プレーを見守る1つ年下のフィアンセのユック・ウンチェさん(26)に、新記録と初勝利を届けられるか。最終日に向け、まったく隙は感じさせない。(岐阜県富加町/片川望)