8年ぶりVへ3位浮上 増田伸洋の「変わらなきゃ」
宮本勝昌が勝ち、藤田寛之が勝ち、40代の勢い目覚ましい国内男子ツアーの後半戦。今週は41歳の増田伸洋が好調だ。愛知県の三好カントリー倶楽部 西コースで開催中の「トップ杯東海クラシック」2日目。5バーディ、1ボギーの「68」をマークして通算5アンダーの3位タイで決勝ラウンドに進んだ。
アウトから第1組でのスタート。「風もなく、グリーンも軟らかいうちに行こうと思ったら意外と朝から硬くて…」という想定外のコンディションにも、増田はチャンスを確実にものにしていった。8番(パー3)でグリーンサイドの左足下がりのライからSWでチップインバーディ。11番からは4m前後を立て続けに決めて2連続とした。
2日連続のアンダーパーを支えるのがパッティング。先月、34インチのパターを2インチ長くした。この日は4番、10番、13番で3メートル弱のパーパットが残ったが、いずれも沈めてみせた。「調子が悪くなると、小さく構えてしまう悪い癖がある。いまは大きく構えられるし、重さで自然とヘッドも出る。いいパターを見つけた」
“大きく構えられる”ようになった理由は、道具だけとはいえないかもしれない。「ANAオープン」の7位入りで、賞金ランク36位に浮上。2012年以来のシード復帰にも大きく前進した。「もうシードのことは考えずに上を向いて頑張りたい。シードばかり気にすると、曲げたくない…とゴルフが小さくなっていた」。重い荷物を下ろせたことで、復活ロードを歩く自信も芽生えてきた。
06年のツアー初優勝から8年。「2勝目をしないと忘れられてしまう」。ブランクの間、考え方も徐々に変わってきた。
「ゴルフはどうしても、調子のいいときのことを求めたくなる。調子のいいスイング、自分を…。でも何年も経つと、自分の体も変化する。いま、与えられたものでやらないといけない。『昔はあそこまで飛んだのに、なんで飛ばないの?』と、思ってしまったりしていたけどね。でもクラブやボールも進化している。それを考えても仕方がなかった。アプローチ、パットで上を目指さないといけない」
同じリーダーボードの上位には年下の選手がズラリと並ぶが、苦難を乗り越えて変化を受け入れたベテランは、きっと強い。(愛知県みよし市/桂川洋一)