23歳になった石川遼 成長を確認するため2つの課題
国内男子ツアー「ANAオープン」に大会ホストプロとして2年ぶり6度目の出場を果たす石川遼が、大会前日の9月17日に23回目の誕生日を迎えた。ANAのキャビンアテンダントから花束を贈呈されると、「10代のころは嬉しさもあったけど、22歳から23歳になったいまは実感するものがありませんね(笑)」と照れ笑いを浮かべた。
23歳での目標は「米ツアーで優勝すること。来年の今日、今年の(フェデックスポイント)ランキング72位を1つでも上回れたら成長とも言えますが、もっと高い目標に向かってやっていきたい」と、さらなる飛躍を誓った。
「初めて出た08年や09年は戦略もなく、ただグリーンに近づけるようにドライバーショットをしていた。それが、11年、12年とコースのロケーションを考えて攻めることができるようになってきた」というのが直近の変化。
2年ぶりの輪厚挑戦となる今年、石川は1つの課題を掲げた。「5番のパー5ですね。以前はドライバーショットでドローしか打てなかったから、ティグラウンド右前方の木を避けると必ず左のラフに入れていた。でも、米ツアーで戦う中でしっかりとしたフェードも打てるようになって来たので、今年は1日でもいいから5番でイーグルを奪えるゴルフをする。それができなければ世界でも通用しない」。
そして、もう1つ。「誕生日の次の日に、良いスコアを出したことがないんです」。初挑戦の08年が「76」、もっとも良かったのは09年の「70」で、2アンダー以上は出したことがない。「明日はこれまでの経験を生かして良いスタートを切りたい」と、自身初の誕生日翌日の60台を目標とした。
今の自分にプレゼントとして欲しいものは?と質問が飛ぶと、「物欲はないですね。結果を残したいです」と応じた石川。笑顔で返した言葉の裏に、切実な思いが見え隠れした。(北海道北広島市/本橋英治)