2014年 中日クラウンズ

岩田寛「優作に比べたら、僕の悩みは屁みたいなもの」

2014/05/01 19:29
悲願のツアー初優勝へ、岩田寛は今週も好スタートを切った

愛知県にある名古屋ゴルフ倶楽部 和合コースで開幕した国内男子ツアー「中日クラウンズ」の初日、5バーディノーボギーの「65」をマークした岩田寛は、首位と5打差の5アンダー4位タイ。悲願のツアー初優勝へ向けて好スタートを切った。

現在33歳の岩田寛は、東北福祉大では宮里優作と同期生。その宮里は、昨年末の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」でプロ11年目にしてついに初優勝を掴み、今年も国内開幕戦でさらに1勝を上積みした。

一方の岩田は、08年の「つるやオープン」で残り2ホールまで2打差の首位に立ちながら、2ホール連続のダブルボギーで3位。同年の「フジサンケイクラシック」でも、決めれば優勝確実だった1.5メートルのバーディパットを外し、プレーオフで惜敗した。

届きそうで届かない初優勝。だが、「僕は(チャンスが)2回くらいしかなかったし、優作に比べたら僕の悩みは屁みたいなもの」と、開き直りの境地にいる。

「鳴り物入りでプロに入って、優作の妹といわれていた(藍)のが、藍の兄と言われたり、全く知らない人にも好き勝手なことを言われたり。優作は表には出さないけど、心の中で燃えるものはあったと思う。それで、勝ったときに腰が抜けるくらいになった。初めて素を見た感じがしましたね」。

昨年末には米国下部ツアーの予選会に挑戦し、出場権は得られなかったものの「勇気づけられたと言ってくれる人もいた」と、新たなモチベーションを獲得した。今年3月にはタイで行われた予選会をトップ通過し、7月の「全英オープン」の出場権も手中に収めた。

「おめでとうって言われるけど、僕的にはあまり分からない」という言葉の裏には、出場するだけがゴールではないという強い気持ちが潜んでいる。

この日のプレーを振り返った岩田は、「グリーンが硬かったら、多分予選落ちですね」と暴れたショットに苦笑した。「でもスコアがいいので、あまり気にならないですね」。何かを突き抜けたようなすっきりした表情が印象的だった。(愛知県東郷町/今岡涼太)

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